BMWとダラーラがパートナーシップを締結。LMDhプログラムでの協力体制を構築へ/IMSA

 BMW Mモータースポーツは9月8日、イタリアのヴァラーノ・デ・メレガリにあるダラーラ本社で署名された契約に基づき、同社のLMDhカーがダラーラ社のLMP2シャーシをベースにすることを確認した。

 今年6月、BMWは2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で開始されるLMDhカテゴリーへの参加を発表。2台体制を敷くファクトリープログラムにおいて、イタリアのダラーラ社と力を合わせるものと広く信じられてきた。

 BMW M社のマルクス・フラッシュCEOは、「ダラーラはモータースポーツにおける我々の情熱やプロフェッショナルリズム、そして大きな野心を共有するパートナーだ」と述べた。

「私たちと同様に、2023年からBMW Mモータースポーツの歴史に新しいサクセスストーリーを書き記すという目標に全力で取り組んでくれる、LMDhプロジェクトのパートナーが見つかったことをうれしく思う」

 フラッシュは、BMW Mモータースポーツの責任者であるマイク・クラックと、BMWのLMDhプロジェクトの新責任者であるマウリツィオ・レスキウッタとともに、ダラーラ本社への出張に参加した。

「可能性のあるすべてのシャーシ・パートナーと話し合った後、我々の決断の決めてとなったのは、ダラーラがその専門知識と経験をすべて備えて、BMW Mモータースポーツとの共同作業に熱心だったことだ」とフラッシュは付け加えた。

「私たちの間には最初から相性の良さがあった。我々の関係は、トラックでの成功という共通の目標のために戦う真のパートナーシップであると考えている」

 最初のテストカーはBMW Mモータースポーツのエンジニアと、BMWのLMDhプロジェクトのために集められたダラーラ社のエンジニアリングチームとの密接な連携の下、イタリアで製作される。ロールアウトは来年、ヴァラーノ・サーキットで行われる予定だ。

 レスキウッタはBMWのDTMドイツ・ツーリングカー選手権プログラム・マネージャーを務めた後、LMDhプロジェクトリーダーに任命された。

 彼は新しいパートナーについて、「ダラーラはおそらく世界でもっとも成功したレーシングカーメーカーであり、この世界のほぼすべてのサーキットレース・シリーズで重要な役割を果たしている」と語った。

■「新しい冒険を始めることを楽しみにしている」とジャンパオロ・ダラーラ

「我々と一緒に仕事をしたいという希望だけなく、他のいくつかの基準でも、私たちが彼らを選んだ重要な判断材料になった。ダラーラはすべての要件をカバーする企業だ」とレスキウッタ。

「その専門知識はシャシー製造、エンジニアリング、開発、風洞実験、さらにシミュレーションの分野にまで及ぶ。それらはIMSAシリーズで重要な要素となる空力に関して非常に強力であることを意味している」

「私たちのクルマが最初から理想的に準備され、サーキットで成功するための基礎を築くために、私たちはすでに開発の非常に早い段階でダラーラと緊密に協力している」

 一方、ダラーラは先月正式にLMDhプログラムの実施が発表されたキャデラックのパートナーとしても、その役割を果たす。

「BMW Mモータースポーツに選ばれたことを光栄に思う。また、熱意を持ってこの新しい冒険を始めることを楽しみにしている」と語るのは、ダラーラのジャンパオロ・ダラーラ社長。

「1977年に、ランボルギーニのコンサルティングとして『M1』の設計にBMWと協力する機会があった。それは素晴らしい経験であり、多くのことを学んだ」

「LMDhプロジェクトでも同じ冒険を繰り返したいと思う。私たちは一緒に素晴らしいことができると信じている」

BMW Mとダラーラのパートナーシップ締結に係る署名はイタリア、ヴァラーノ・デ・メレガリにあるダラーラ本社で行われた

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