【藤井勘一郎コラム】フランスへ武者修行 西村淳也騎手の挑戦

フランスに旅立つ西村淳騎手(左)と筆者

皆さんこんにちは、藤井勘一郎です。

西村淳也ジョッキーが今週から1か月間、フランスでの武者修行に旅立ちます。彼のお兄さんである西村勇哉さんが、私もお世話になっている浜田厩舎で調教助手をされているご縁もあり、淳也ジョッキーとも日ごろから親しくさせていただいています。私も海外での騎乗について常に考えていることもあり、今回の武者修行について彼にお話を伺いました。

淳也ジョッキーは2年前の19年9月にも同じくフランスでの武者修行を経験していて、コンピエーニュ競馬場で3鞍に騎乗。スミヨン、C・デムーロなどトップジョッキーと相まみえています。特に初騎乗となった9月17日のレースではいきなり2着。それも一旦先頭に立ったあと差し返されたもので、今回の再渡仏にはそのリベンジの意味合いもあるようですね。

元々海外での騎乗を志していた淳也ジョッキーですが、アメリカ、オーストラリアなどでの騎乗も考えていたとか。そこで武豊ジョッキーに相談したところ「フランスの方が今後よりプラスになるだろうし、知人も紹介できるよ」とアドバイスをいただいたことで、フランス行きを決断したそうです。

ご存じの通りJRAは世界でも最高レベルの競馬をファンの皆さんに提供していて、世界のトップジョッキーでも日本で騎乗することがステイタスになるほどです。それだけにJRAのジョッキーが海外で完全アウェイの状況で騎乗するのはきっと様々な発見があるはず。例えばヨーロッパは競馬場の作りも違うし、馬場もタフ。馬の血統背景も異なります。淳也ジョッキーによれば、フランスの競馬は返し馬から発走地点に移動してレース発走、と言うテンポが日本よりもだいぶ早く、レースでも日本に比べて早くポジションを取りに行くとのこと。その点だけを取っても違いが分かりますね。

さらに、一口に海外挑戦と言っても、まずビザを申請して発給を受けなければならず、これが思いのほか時間と労力を要するものなのです。このように厳しい海外での騎乗を経験することでジョッキーとして更なる成長を目指す淳也ジョッキーの挑戦は、私にとっても大きな刺激になります。彼のフランスでのご活躍を楽しみにしています。

そして日本では今週から秋競馬が開幕。私も皆さんのご期待に応えられるようベストを尽くしますので、応援よろしくお願いいたします。

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