池松壮亮と伊藤沙莉が初共演 コロナ禍の現代を反映したラブストーリー「ちょっと思い出しただけ」公開決定

池松壮亮と伊藤沙莉が主演し、松居大悟が脚本と監督を務めるラブストーリー映画「ちょっと思い出しただけ」が、2022年早春に公開されることが決まった。池松と伊藤は初共演となる。

「ちょっと思い出しただけ」は、「くれなずめ」などの松居大悟監督にとって初となる、完全オリジナルラブストーリー。クリープハイプの尾崎世界観が、自身のオールタイムベストに挙げる映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」に着想を得て書き上げた新曲(タイトルは「ナイトオンザプラネット」)を受けて、松居監督が脚本を書き上げた。ケガでダンサーの道を諦めた照生(てるお)とタクシードライバーの彼女・葉(よう)を中心に、二度と戻れない愛しい日々を、コロナ禍という現代性を反映させて描く。

主演は、「君が君で君だ」やクリープハイプの楽曲「憂、燦々」のミュージックビデオなど、松居監督作品にも多く出演してきた池松壮亮と、子役から確実にキャリアを積み重ね、今や数々の作品に出演する伊藤沙莉。活躍を続ける2人の若手俳優が初共演する。

池松は、「あの頃を成仏する映画や、あの頃を慈しむ映画は時代の変わり目には沢山作られるものですが、今と過去を同時にすくいとろうというこの作品の心意気にとても共感しました」と本作についてコメント。伊藤は、「ああ、あったなこんな時。とか ああ、あの人元気かな。とか そんな悪くない一瞬を、2人の時間を通してふと感じていただけたらいいなぁと思います」とメッセージを送っている。

【コメント】

■松居大悟監督
誰にも見つからないように、誰にも気づかれないように、離れてしまった手と手を無理やり引き合わせて、それを運命だとか必然だとか、都合のいい単語で括って知らないふりをしてる。単に時間が経っただけなのに、時間が関係性を引き離すなんて思い込んでるのは自分のエゴで。構ってほしかっただけなのかもなぁ。前より思い出す機会が増えたのは、年齢なのか、時代なのか、思い出そのものが大きすぎるのか。
オリジナルで、初めてのラブストーリーです。尾崎くんがきっとバンド人生を賭けて紡いだ曲を聴きながら、コロナ禍でうんうん悩んだ物語は、小さくて眩しいあの日を思い出す映画になりそうです。盟友の池松君と、鮮やかな伊藤沙莉さんと、素敵な役者スタッフたちと作りました。
きっと花束みたいとか色々言われるんだろうな。言われるよもう。言われる前に言うよ。でも当たってるしなぁ。そんな迷いにこの先何度も包まれる気がするけど、それ以上に、かけがえのない優しい想いに包まれる人に届いたらいいなと思います。
愛がすべてなんかじゃないけど、愛がすべてで。愛ってなんだよ。愛がなんだだよ。また別の映画のタイトルを言ってしまった。『ちょっと思い出しただけ』です、俺はまだ本気出してないだけ、みたいとか言うなよ。俺は本気出したよ。マスクの向こうでニコニコさせられますように。
楽しみにしてくれたら嬉しいです。
日向寺太郎監督
『安魂』は原作者の周大新さんが息子を亡くされ、やむにやまれぬ気持ちで書かれている。
同じく子を持つ親として、父親の気持ちが痛いほどわかった。ある日突然大切な人を失った人が、どのようにして生きる力を回復するか、人間にとって生きる根源はどこにあるのか、私は周さんになったかのようにしてこの映画を撮った。

■池松壮亮
決定的に戻れないあの頃、コロナ以前からの6年間を描いたラブストーリーです。あの頃を成仏する映画や、あの頃を慈しむ映画は時代の変わり目には沢山作られるものですが、今と過去を同時にすくいとろうというこの作品の心意気にとても共感しました。
思い出せないことと、忘れられないこととが、人生そのものをかたどっているように思います。過去にしがみつくではなく、過去を無かったことにするではなく、全ての地続きに今があると信じています。あらゆる人の人生の過去が、その人の人生にあったことを感謝出来ますように。過去と今が、無かったことになりませんように。昔の気持ちを思い出して、色々あったけど今はもう大丈夫。でも、ちょっと思い出しただけ。そんな私たち自身についての映画になってくれることを願っています。

■伊藤沙莉
松居大悟×池松壮亮×クリープハイプという私にとってかなり熱いゴールデンタッグの作品に携われることが決まってからインまで、はやる気持ちでいっぱいでした。
綺麗事を言うつもりなんてさらさらないし、ポジティブ、ネガティブな出来事を全て肯定するべきなんて全く思いませんが、私は確かに過去に存在したそれがあっての今なんじゃないかな、と常々思っています。
そういう過ぎた思い出や記憶を、ちょっと思い出しただけな時間もまた、悪くない一瞬だと思います。
ああ、あったなこんな時。とか
ああ、あの人元気かな。とか
そんな悪くない一瞬を、2人の時間を通してふと感じていただけたらいいなぁと思います。

【作品情報】
ちょっと思い出しただけ
2022年早春公開決定
配給:東京テアトル
(C)2022『ちょっと思い出しただけ』製作委員会

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