【スターダム】ロッシー小川EPを直撃 葉月復帰の“真相”、負傷離脱ジュリアの今後は?

ロッシー小川EP(中)とゴッデズ王者のジュリア(右)と朱里

コロナ禍にあえぐマット界で、常に話題を提供し続けている女子プロレス「スターダム」。2019年12月に引退した葉月が現役復帰するだけでなく、他団体からも続々と選手が加入している。今後もこの流れは続くのか? また負傷離脱した〝お騒がせ女〟ジュリアの今後の見通しは? 現場を統括するロッシー小川エグゼクティブプロデューサー(64)に気になる話題を直撃。前後編の2回にわたり、お届けする。

【ロッシー小川EP・インタビュー前編】

――「アクトレスガールズ」を退団した桜井まい、月山和香が加入した。本人たちの希望か

小川氏 そうです。我々は一度たりとして引き抜きはしてないですから。話があるから応じているだけです。移ってくる選手にもいろいろ事情がある。中には生活ができないとか。一番はやりがいかな。もっとプロレスを深くやりたいと思ったらここに来る。(女子プロ界には)アルバイト兼業の団体もあるんですよ。ここはプロレスに専念できるという意味では、やりがいがあるんじゃないですかね。

――この流れは続くか

小川氏 続くんじゃないですか。野球でもWWEでもそうだけど、どんどん選手が入れ替わっている。常にフレッシュなもの、最前線なものを見せていかないといけない。古い人を重んじてないわけじゃないけど、スターダムにはベテランはいない。常にフレッシュなものを見せていくのがスタンダードなんですよ。

――他にもスターダムに上がりたいという声はあるか

小川氏 ありますよ。年内に加入? 可能性はゼロではないですね。一つ言えるのは、いろいろな団体を辞めるとみんなスターダムだと言われるけど、そうじゃないこともあるので(笑い)。選手も選手生命を考えた中でやっているので(各団体が選手を)抱えるなら抱えるでプロテクトしてあげないといけない。プロレスラーが生計を立てられるシステムをつくってあげないと、今後も流出はありますよ。

――一方で葉月が戻ってきた。引退時に団体への不満を口にした経緯があり、復帰には賛否両論がある

小川氏 本人がもう一度やりたいということなので。過去にしがみついているのもおかしいじゃないですか。やり直しのきかない人生なんてないですから。まだ23歳と若いんですから。過去を水に流さないと、この仕事はやってられないですよ。

――なるほど

小川氏 それに可能性があるからです。ない人だったら「復帰はやめた方がいい」と言うけど。志半ばで辞めていく人が多かったけど、彼女はポテンシャルもあるし。若いというのは、この仕事の一つの武器ですから。プロレスでいうと背が高い、美人だ、スポーツキャリアがある、若いというのは重要な要素ですよ。

――そもそもなぜ葉月選手は辞めたのか

小川氏 うーん。いろんな選手間の状況に対して、彼女としたらどこかで裏切られたという思いがあったんじゃないですかね。ただ、私はどこかで復帰すると思っていた。消耗して辞めたわけじゃなく、一時の感情で辞めたわけだから。葉月に「スターダム以外で復帰することは考えなかったの?」と聞いたら「スターダム一択です」ということだった。

――一方で首の負傷によりジュリア選手が25日大田区大会までの欠場が発表された

小川氏 はっきりしたことはまだ分からなくて、1か月後にまた検査をし、状況を把握しながら進んでいくこと。今は休むしかない。休めば治るわけなんで。ただ、彼女は悔しいと思う。「5★STAR GP」も優勝する気でいただろうし、(10月開幕予定の)タッグリーグが始まるし。「タッグリーグは出たい」と言っていたけど、なかなか難しいところじゃないですか。

――どこかでケガをしたのか

小川氏 蓄積ですね。この間に彼女は何をやるかが問題です。私は時間を有効に使うために「本でも書けば」と言ったんですよ。彼女のことなんで休んでいても無駄には使わないでしょうけど。

――人気のトップ勢が欠けることになる

小川氏 痛いですけど今は選手層が厚い。このシリーズも公式戦がない人はどんどん休ませている。岩谷麻優がいない、林下詩美がいない大会もあったし。そういう意味では出ている人が頑張っているので。今は誰かがいないから困るんじゃなく「じゃあ私が出てやろう!」となっている。

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