カナダの世論調査で「北京五輪ボイコット」賛成多数に 人権問題がネック

開催は来年に迫っているが…(ロイター)

新疆ウイグル自治区における人権侵害問題に揺れる来年の北京冬季五輪を巡って、カナダの世論調査で同国民の間でボイコット賛成派が多数に上っている。

カナダメディア「カスタネット」は、調査会社によって実施されたカナダ国民1000人を対象にした世論調査の結果を報道。来年2月の北京五輪に関して「カナダは中国の人権問題を巡って北京五輪をボイコットすべきか」との質問に対し、56%が賛成し、選手団を派遣すべきではないとの世論が高まっている現状を伝えた。

さらに同メディアも独自に世論調査を実施したところ「ボイコットすべき」との意見が67%を超え、3分の2を上回った。

「すべての地域の住民の大多数が、ボイコットは正しい行動方針であると信じている」としたうえで「ナショナルホッケーリーグ(NHL)が五輪に参加できるようにする契約を発表する前に、この調査が出たことに注意を払わなければならない」と指摘。カナダはアイスホッケーで過去の五輪で9度の優勝を誇る大国。最近も2010年バンクーバー、14年ソチと連覇しており国民の期待も高いが、それでも中国の人権問題は無視できずボイコットも辞さないムードが高まっているのだ。

世界各国で北京五輪に反対する動きが広がっており、冬季五輪の強国であるカナダの世論の動きは大きな注目を集めそうだ。

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