【秋場所】照ノ富士「一人横綱」プレッシャーなし? 上位陣自滅で “無風” の独走ムード

横綱として最初の一番を見事に飾った照ノ富士(東スポWeb)

早くも独走Vの予感だ。大相撲秋場所初日(12日、東京・両国国技館)、新横綱照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)は小結逸ノ城(28=湊)を危なげなく寄り切って白星発進。取組後は「よかったです。今までやってきたことを信じて、一生懸命やるだけ」と納得の表情を浮かべた。重圧がかかる大事な初日を難なく乗り切った。

今場所は宮城野部屋の力士が新型コロナウイルスに感染した影響で横綱白鵬が休場。新横綱が〝一人横綱〟で臨むのは2003年春場所の朝青龍以来だ。照ノ富士は横綱土俵入りに「思ったより雰囲気に慣れなかった」と戸惑いつつも、横綱デビューを振り返り「緊張? 特にないですね」ときっぱり。審判部副部長の藤島親方(元大関武双山)は「まさに横綱相撲。新横綱とは思えない落ち着きだった」と絶賛した。

逆に、ふがいなさが目立ったのが正代(時津風)と貴景勝(常盤山)の両大関だ。尾車事業部長(元大関琴風)は場所前に「優勝争いは2大関が横綱に食らいついていくような展開になるのが理想」と期待を寄せていたが、いきなり黒星発進で〝共倒れ〟となってしまった。

特にカド番の貴景勝は首に不安を抱えており、この日は幕内北勝富士(八角)に一方的に押し出される完敗。藤島親方は「全然当たれていない。全く威力がない。心配な内容」とバッサリ切り捨てた。新関脇明生(立浪)や小結高安(田子ノ浦)の上位陣も相次いで初日に敗れ、早くも新横綱が独走態勢に入りそうな雲行きだ。

照ノ富士は2日目以降に向けて「責任を持って土俵に上がらないといけない。精いっぱいやっていきたいと思います」。このまま秋は〝無風〟で終わるのか。

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