活況・配信ライブビジネス 本格定着はコロナ終息より「先」か「後」か?

ライブ配信を行ったスキマスイッチの大橋卓弥(左)と常田真太郎

コロナ禍でライブの中止、延期などで大きな影響を受けている音楽業界。コロナ終息の兆しが見えないなかで、配信ライブが増えている。

12日には人気音楽ユニット「スキマスイッチ」が、東京・新宿区の日清食品パワーステーションリブートでスペシャルオンラインライブを開催。「ボクノート」「全力少年」「奏(かなで)」などヒット曲を織り交ぜながら10曲を披露した。

ボーカルの大橋卓弥(43)は「配信ライブも久しぶり。いいですね、ライブは」と笑顔。一方で、コロナ禍における厳しい現状に「みんなの前で演奏したり歌ったりすることができて一緒に声を出せる時がきたらね。同じ空間で音楽を共有できたらいいな。(コロナ禍が)もうちょっとだと信じて」と切実な思いを口にした。

ライブの楽しみの一つといえば、アーティストのMCだ。歌唱中に視聴者からのチャットが見られる仕様に大橋と常田真太郎(43)は大興奮。大橋は「(歌唱中に)これを読んでると歌詞が分からなくなってしまう」と苦笑いしつつ「こうやって配信でコミュニケーションが取れる。お客さんが目の前にいる時よりも近いときもある」と久しぶりの交流を楽しんだ。

今回のようにチャット機能でファンと交流する新しい楽しみも増えたが、ライブ配信は壁にぶつかりつつある。

警備スタッフなど人件費のコスト削減でき実入りがいいはずだが、一方でリスクを冒してまでライブを強行する主催者もいる。「当初は物珍しさもあり、配信ライブのチケット販売は好調だったんですが、やはりライブは〝生〟の方がいいのは事実です。慣れもあり、チケット販売も鈍ってきている。音楽業界はなんとかライブ感を出そうと、最新技術を使いながら模索しているが、ビジネスとして一般化するかは不透明なところもある」(音楽関係者)

コロナ終息が先か配信ビジネスが先か、といったところのようだ。

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