チームMRFタイヤがふたたび強力助っ人を起用。38歳のソルドがERC第5戦アゾレス参戦へ

 9月16~18日に開催されるERCヨーロッパ・ラリー選手権第5戦アゾレス・ラリーに向け、インド製タイヤの開発チームとして参戦するチームMRFタイヤが、ふたたび強力な助っ人の起用をアナウンスした。WRC世界ラリー選手権で2年連続の勝利も飾っているスペイン出身の大ベテラン、ダニ・ソルドを招聘し、ヒュンダイi20 R5とのペアリングでグラベルタイヤへの的確なフィードバックを期待している。

 シトロエンのファクトリー契約ドライバーとして活躍したのち、近年のWRCではヒュンダイ・モータースポーツの“スーパーサブ”的立場で戦っているソルドは、2021年もポルトガル戦で2位表彰台を獲得するなど、ワールドクラスのスピードを維持している。

 そんな38歳のベテランに白羽の矢を立てたチームMRFタイヤは、彼の豊富な経験と専門知識がチームにもたらされることを狙い、クレイグ・ブリーン、シモン・カンペデッリ、そして前戦のバルム・チェコ・ラリー・ズリンに参戦したWRC3チャンピオンのヤリ・フッツネンに続き、ERCでの開発作業に向けての協力を仰いだ。

 そのソルドは、今季中盤から新たにペアを組んだカンディード・カレラとともに、大西洋中部に浮かぶサンミゲル島を起点とした島嶼部で争われるグラベル戦でヒュンダイi20 R5のステアリングを握ることとなった。

「チームMRFタイヤから、この第55回を数えるアゾレス・ラリーに参戦できることを本当に楽しみにしている」と、表彰台を獲得した2018年8月のチェコ戦以来のERC復帰が決まったソルド。

 彼は「この風光明媚な地で戦うラリーは素晴らしいステージばかりで、僕らはそこでより多くの情報を入手し、良い結果を得てMRFタイヤの開発を前進させるのが仕事になる」と続けた。

 今回のソルド起用は、インド発のタイヤメーカーとヒュンダイ・モータースポーツのカスタマーレーシング部門が結んでいる提携の一部となり、テーマとして掲げる「FIAヨーロッパ・ラリー選手権での積極的なタイヤ開発推進」の一環として、ブリーンら契約ドライバーをローテーションで実戦参加させる方針に則ったもの。

 ソルドとチームMRFタイヤのコンビネーションはアゾレス初見参となるものの、コドライバーのカレラは2011年、2017年にスペインの元国内選手権王者でもあるホセ-アントニオ・スアレスとのペアでサンミゲル島のステージを経験している。

 また、今季前半戦のドライブを担当したブリーンは、ラトビアで開催された直近のグラベル・イベントでもある7月の第2戦ラリー・リエパヤで2位表彰台を獲得するなど、インド製グラベルタイヤのポテンシャルアップを証明する戦績も残している。

 9月10~12日の週末にはWRC第9戦ギリシャにヒュンダイi20クーペWRCで参戦し、総合4位フィニッシュを果たしたソルドは、そのまま大西洋中部の島嶼部へと向かい、201.74kmのステージで構成されたグラベル戦に向けシェイクダウンに臨むこととなる。

今季中盤から新たにペアを組んだカンディード・カレラとともに、グラベル戦でヒュンダイi20 R5のステアリングを握る
「より多くの情報を入手し、良い結果を得て、MRFタイヤの開発を前進させるのが仕事になる」とソルド

© 株式会社三栄