税の徴収漏れ大国ニッポン!?維新なら、お金持ち優遇から経済社会を回す税制に!乙武洋匡が日本維新の会・足立康史氏に迫る!

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今回は2021年6月12日に公開された対談の様子をご紹介。ゲストは日本維新の会・足立康史議員です。ベーシックインカムや税制改革について伺いました。

 

日本大改革プランについて

「3本目の対談では政策の話を伺いたい」と話す乙武氏。最初の話題は、日本維新の会が5月17日に発表した日本大改革プランについて。

足立議員は、「維新の会と言うと、どうしても〝身を切る改革〟が出てくる。実際に、6月のボーナスも2〜3割カットされたし、普段の給料も2割カット。1階部分は政治改革に力を入れてきた。自民党の金権政治に対して、もっとクリーンで政治家の身分にこだわらないという姿勢は、ずっと強調していきたい。

でも、それだけでは政党としての責任は果たせない。大改革するには、それを実施できる役所の仕組みづくりが必要であり、大阪を豊かにするために大阪都構想を進めてきた。この統治機構改革は2階部分。でも、『維新は経済社会や外交・防衛をどうしたいかが分からない』と言われてきたので、3階部分を作ったのが大改革プランだ」と話しました。

外交・防衛、経済社会に関する政策

足立議員は、「外交・防衛については、尖閣問題に対応するための法案を国民民主党と共同で出した。また、中国・ロシアという大陸国家に負けないように、アメリカ・台湾・オーストラリア・インド・イギリス・イギリス連邦の国々と連携しながら海洋国家同盟を作り、繁栄を維持しようとしている。

でも、国民の皆様は年金や子どもの教育に関心があるから、日本大改革プランを出した。税制改革・社会保障改革・成長戦略を三本柱にして、内政を大胆に作り替える。今回のコロナ対応をみても、10万円を配るのに何ヶ月もかかり、誰が本当に困っているかが分からない。今までの税と社会保障は取るべきところからちゃんと取っていない

自民党は小細工ができる仕組みを作っていて、ずる賢い人はうまく制度をくぐり抜け、正直な人には使い切れないような複雑な制度にした。その結果が今の徴収漏れ大国だ。それをもっとシンプルな制度にして、誰も免れないようにする。さらに、手を差し伸べるべき人に差し伸べられていない現状がある。

たとえば生活保護は、本来受給していいような生活をしている人のうち2〜3割しか受給していない。ハードルが高いから、先進国の中でも圧倒的に低い受給率になっている。残りの6〜7割の人は、ワーキングプアと言われながら我慢している。

コロナの感染拡大みたいなことが起きた時に、去年の確定申告で今年を見るのでは遅い。今年傷付いているのだから、タイムリーに手を差し伸べるためにベーシックインカムを導入したい。事後審査方式にして、皆様に広く一律の給付をしながら、生活が苦しい人は返済を免除し、余裕がある人からは徴税する。透明で公正公平な税制、社会保障制度、福祉にしたい」と話しました。

維新であれば相続税を上げることは可能?

乙武氏は、相続税に関する意見を投げかけます。「自民党はお金持ちに支えられているから、相続税を上げることはなかなか出来ないと思う。でも、維新なら出来るのではないか」。

足立議員は、「お金には資産(ストック)と所得(フロー)がある。今の日本の税制はフロー課税になっているから、ある規模の資産を持っている人がいた時に、それを〝寝かせていても〟お金は取らない。反対に、投資や消費などで〝資産を動かしている〟人からは懲罰的にお金を取る。

だから、活動すればするほど損してしまう。それを変えるために私たちは『フロー課税からストック課税へ』と言っていて、そこを改革していくことになる。さらに、相続税の場合はいつの時点でお金持ちからお金を取るかという問題がある。私たちは相続税を無くして、もっと経済社会を回すための税制にしようと打ち立てている。

所得税は累進課税だが、ある程度いくと税率が下がっていく。なぜかと言うと、金融所得が分離課税されるから。年間5千万円〜1億円以上の収入の人は税率が下がる。明らかにお金持ち優遇になっていて、こんな国は他にない。だから累進度が下がっていくところを平らにしたい。

今一番苦しんでいるのは非課税世帯で、『税制優遇してあげますよ』と言っても、もともと税を払っていないから優遇の対象にならない。給付付き税額控除では、本当に貧しい方へは徴税じゃなくて給付をする。社会保障や税制に対して本格的な議論をしている政党は、維新の会だけだ」と話しました。

これを聞いた乙武氏は、「なぜかと言うと(維新の議員は)政治家という身分にこだわっていないから。ずっと政治家をやり続けたい、子どもに継がせたいと思っていると、そのような発言をしたら有権者が離れてしまう」と話します。

足立議員は、「そこが核心の部分。乙武さんは維新の議員より維新のことを解っている。維新の中でも自分の身分を維持したい人が出てきているが、そのような誘惑に打ち勝つために身を切る改革をしている」と話しました。

最後に足立議員は、「乙武さんこそ維新の議員に相応しい。今度の解散総選挙にぜひ。馬場幹事長からも『お誘いしてきなさい』と言われている」と話し、この日は終始和やかな雰囲気での対談となりました。

足立康史氏プロフィール

1965年大阪府生まれ。京都大学大学院工学研究科修了後、通商産業省(当時)入省。1988年、米国コロンビア大学国際公共政策大学院修士課程修了。その後、経済産業省商務情報政策局参事官、日本貿易振興機構ブリュッセル・センター所長などを歴任。2011年、東日本大震災を機に退官。退官後はみんなの党に入党するも、大阪維新の会との連携が困難になったことで離党、日本維新の会の結党に参加した。2012年衆議院議員総選挙で初当選。以後再選を重ね現在3期目。日本維新の会国会議員団幹事長代理、同大阪府第9選挙区支部長を務める。

 

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