「なおえつ うみまちアート」の開会で、日本海に沈む幻想的な日没と夕日が「直江津の宝」と見直された。晴れた日には作品の展示会場になっている上越市の船見公園がにぎわっている。同時に、鳥居の真ん中から日の昇る瞬間が見られる同市中央2の直江津大神宮(川合登宮司)も「宝のポイント」として注目されている。
同神社の境内は標高14メートルの高台にあり、ビル3階の目線から眼下に直江津の街並みを見渡すことができる。美しい鳥居には大きなしめ縄も飾られている。
鳥居中央に見える吉川区の霊峰・尾神岳の稜線(りょうせん)から朝日が昇るのはこの時季だけ。川合宮司によると「お天気が良くて拝めるのは年に1、2度だけ」という。本殿のさい銭箱の近くには、氏子が撮影した4年前の9月5日の写真が据えられている。
川合宮司は今年9月7日に絶好の条件下で撮影に成功。同じく宮司を務める大潟区九戸浜の諏訪神社の祭礼で紹介したところ、地元の松永博さん(73)夫妻が晴天に恵まれた12日早朝に訪れ、宮司と感動を共有した。
午前5時27分に尾神岳の稜線の裏側から空を赤く染めて朝日が昇り始めると、言葉もなくカメラのフレームを鳥居に重ねて撮影。「上越は広いですが、こんなにありがたく日の出を仰げるのは他に知らない。地域の宝だと思います」と話していた。