首位ロッテの主砲マーティンが発熱で離脱 脳裏によぎる去年の“急降下”

早期復帰が期待されるロッテ・マーティン(東スポWeb)

首位のロッテに緊急事態だ。打線をけん引するレオネス・マーティン外野手(33)が14日、特例2021の適用選手として出場選手登録を抹消された。球団の発表によればマーティンは同日に発熱を発症。大事を取っての措置というがチーム周辺は早くも「昨季の二の舞にならなければいいが…」と、主軸の突然の離脱に早くも不安を募らせている。

来日3年目のキューバ人助っ人は今季ここまで97試合に出場。打率こそ2割5分3厘もリーグ2位タイの25本塁打、同3位タイの70打点(14日現在)をマークする勝負強さでチーム首位の原動力となっていた。そんな中心選手の突然の離脱だ。ナインや球団関係者、ロッテファンの衝撃は計り知れないが、周囲がマーティン一人の抹消に意気消沈する背景には「昨季の悪夢」が脳裏をよぎるからだ。

ロッテは昨季もシーズン終盤まで首位争いを演じていたものの、今季同様に打線をけん引していたマーティンが10月21日の西武戦での走塁で一塁ベースを踏んだ際に左足首を負傷。その後、左足首捻挫と診断され選手登録を抹消されると、チームはそこから黒星が先行し、後退を余儀なくされた。

それでも何とかリーグ2位に踏みとどまり、クライマックスシリーズ(CS)出場を果たしたが、一発のある助っ人を欠いた打線は破壊力が低下。結局、リーグ優勝を果たしたソフトバンクにCSで完敗(2連敗)。2010年以来の日本シリーズ進出を阻まれた。そんなマーティン離脱によるチーム急降下をまざまざと見せつけられただけに周囲もファンも頭が痛い。

幸い今回の抹消は特例2021によるもの。PCR検査の結果、新型コロナウイルス陰性が証明され体調さえ回復すれば10日間を待たずに再登録が可能だが、一時的でもマーティン不在は戦力ダウンにつながる。

14日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)は3―1で勝って5連勝。2位オリックスとのゲーム差を3に広げたが、相手先発・千賀に8回14三振を喫するなど打線に不安は募る。

1974年以来となる悲願のリーグ優勝を狙うロッテはこの窮地を乗り越えられるのか。周囲はマーティンの状態とチームの行方を固唾をのんで見守っている。

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