韓国紙「優れた兵器あるが間違った方向に向く」「韓国軍は世界に例をみない泥沼」

韓国保守系紙が韓国軍の現状や行く末について憂慮する記事を掲載した。

朝鮮日報は15日、ユ・ヨンウォン軍事専門記者による分析記事『北ミサイルをミサイルと言えない「洪吉童軍」…強い首脳部が強軍を作る』を掲載し、韓国軍の現状や韓国政府による軍事政策に懸念を示している。

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ユ記者は、ベトナム戦争後に米軍を建て直したされるウィリアム・E・デフォー将軍や、1977年に当時カーター米政権に対し在韓米軍の撤退を公然と反対して更迭されたジョン・K・シンウラヴ駐韓米軍参謀長などを紹介し、「デフォー将軍とシンウラヴ将軍の姿は、最近の韓国軍首脳部の姿と良いコントラストを成すという指摘が少なくない」と述べている。

ユ記者は、「現在、韓国軍は内外に類例を探すのが難しい課題に直面している」とし、「韓国軍は、人口減などで来年まで総兵力を50万人に削減し、6・25戦争(朝鮮戦争)以後で最も少ない規模の軍隊を保有することになる」と指摘した。

韓国軍の兵力減少ペースについてユ記者は、「過去2018年から5年間、陸軍兵力だけ11万8000人、つまり約12個師団の兵力が減っている」とし、「一方、軍服務期間は21ヶ月から18ヶ月に減少し、90%を超える兵役資源が現役として入隊しなければならない状況である」述べた。 9割を超える現役入隊率は野戦指揮官たちに大きな負担となっているいうのがユ記者の説明だ。

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続けて、「ムン・ジェイン(文在寅)政府が最大の功績の一つとして掲げてきた軍兵営文化の改善も相次ぐ不良給食、セクハラ事件などで指弾の対象となっている」とし、「軍が難しい境遇に置かれたのは大統領府と政権中枢の過剰な軍介入も問題だが、多くの軍首脳部の無神経行動も悪影響を及ぼしているという指摘だ」と伝えた。その一例として、韓国国防部が一時、北朝鮮のミサイルをミサイルと表現しなかったことを象徴的なケースとしてユ記者は挙げている。

一方でユ記者は、現政権が、過去の保守政権よりも国防費を投入しハイテク兵器を開発・導入していることに触れ、このうち「ミサイルの射程距離と弾頭重量制限を撤廃したミサイル指針の解除、世界的に類例を探すのが難しい強力な在来式弾頭を持つ《玄武-4》ミサイル開発などは、肯定的な評価を受けるに値する」と述べている。

しかし、「いくら優れた武器(兵器)を持っていても、この武器の向かう敵が存在しないか、あるいは武器が変な方向に向かえば、何の意味があるだろうか」と批判した上で、「正しい対敵観と強い精神力を持った軍隊、どのように戦うのかについて深く悩んで適切に訓練された軍隊、自軍利己主義および各自バラバラではなく、第4次産業革命など先端未来戦に備えた軍隊が必要な理由だ」と強調した。

そして、「韓国軍が今の泥沼から脱し生まれ変わるためには、何よりも、次期群統帥権者が《韓国版デフォー》《韓国版シンウラヴ》を新たに軍首脳部に抜擢するのが重要であると考えている」と主張している。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「本当に国が心配されるときだ。国民の皆さん正気に戻りましょう…」

「…しっかりした大統領が出てくれば軍も正気に戻るだろう」

「…それを言うなら保守勢力は絶対に政権を取ってはいけない。国軍統帥権者になろうとするのにみんな徴兵免除者だ」

「…口で叫ぶだけの平和は虚構であり、唯一、力による平和だけが存在することを歴史は証明している…」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

参考記事:韓国経済紙「少子化で韓国兵力は今後急減する」「60万人→15万人に…」

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