韓国LG賠償...GM「ボルトEV」が米でまた火災 もし屋内に駐車してたら...

相次ぐ火災事故でリコール措置がなされた米GM(ゼネラルモーターズ)の「シボレー・ボルトEV」で再び火災事故が発生した。同車には韓国LG系列社がバッテリーを供給しており、リコール費用とされる約2千億円の相当部分を賠償請求されるとみられている。

参考記事:韓国LGが賠償する「ボルトEV」でまた事故 「火災物語にさらに燃料を追加」米紙

現地時間で14日、米国ジョージア州チェロキー郡消防当局は、2019年型シボレー・ボルトEVで火災が発生し、現場出動後に鎮火させたと伝えた。同車両は、幸いにも住宅内のガレージではなく、すぐ外に駐車されていたため、人命被害にはつながらなかったと伝えられた。同消防署の大隊長であるリッキー・コレット氏は「消防士は、ガレージの隣にある家に火が広がらないように一生懸命働いた」と述べている。

このニュースを伝えた米「Inside EVs」紙は、同車の車主は米当局の勧告(※フル充電の禁止など)を知らなかったか、または無視したと報じている。事故原因は正確に判明していないが、リコール対策作りの最中に発生した火災により、不安はさらに高くなっていると伝えた。

先立って、2度にわたりボルトEVのリコールを実施したGMは、2017〜2019年型ボルトEVの独自開発診断ツールを活用したバッテリー動作検診と充電容量を90%に制限するなどの措置・勧告を行っていたが、火災懸念は続いている。

画像:Inside EVsの当該記事キャプション

去る7月、米国道路交通安全局(NHTSA)は、ボルトEVについて、充電直後に、家やその他の構造物から離れた外部への駐車を勧告し、一晩中充電状態に置かれないよう警告した。

一方、昨年11月にNHTSAは、韓国梧倉(オチャン)で生産されたLG化学のバッテリーが搭載された2017〜2019年型ボルトEVにおいて、フル充電あるいはフル充電に近くなると潜在的な火災リスクが確認されたとのリコール計画を明らかにしている。

GMは先月、リコール対象をボルトEUVや新型ボルトEVにも拡大し、潜在的火災リスクのないと確信できるバッテリーが出るまで電気自動車を生産するオリオン工場の稼働を停止すると発表した。

米国では最近、ボルトEVの利用を禁止する駐車場も出現している。

GMのボルトEV関連のリコール台数は約14万3千台に及んでおり、費用は18億ドル(約2千億)とされ、相当部分をLG化学に請求するとみられる。

LG化学の株価はボルトEVの追加リコール直後に暴落し、昨年末に同社の電池部門が分社化され発足したLGエナジーソリューションは上場が延期される見通しだ。

参考記事:韓国LGが賠償、火災相次ぐGM電気車を米駐車場が出禁に 「大混乱が広がる」韓国紙

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