西武、4回以降無失点リレーで執念ドロー 好調リリーフ陣が大逆転CSの生命線に

4番手で登板した西武・水上由伸【写真:宮脇広久】

平井は先発から中継ぎへの復帰が奏功 ロングリリーフでも盤石

■西武 3ー3 日本ハム(15日・メットライフ)

3連勝中の西武は15日、本拠地メットライフドームで行われた日本ハム戦を3-3で引き分け。先発の本田圭佑投手は3回3失点KOを喫したが、リリーフ陣の奮闘と手堅い作戦で何とかドローに持ち込んだ。5位のチームは残り31試合に大逆転CS進出をかける。

先発の本田は初回に4番・王柏融に2ランを被弾し、3回にも右前適時打を許した。3回3安打3四球3失点。辻発彦監督がここで早々と本田を諦め、4回から平井にスイッチしたことが勝因の1つとなった。

平井は4回から6回まで3イニングのロングリリーフで2安打無四球無失点の快投。今季は開幕当初から本人の希望で先発に転向していたが、10試合で3勝3敗、防御率4.99で7月7日の日本ハム戦以降、中継ぎに戻った。リリーフ登板の14試合に限ると、17イニングで自責点3、防御率1.59の安定感を誇る。もともと、一昨年に81試合登板のパ・リーグ記録を樹立したタフネスで、チームが“困った時”こそ頼りになる。

7回はギャレットが1安打無失点。8回には、売り出し中の水上が最速151キロの直球を武器に3者凡退。今季20試合に登板し、失点はわずか1。防御率0.48と快進撃続いている。育成ドラフト5位で四国学院大からの入団し、5月中旬に支配下登録を勝ち取り“大化け”の予感が漂うスケールの大きい右腕だ。

「4回以降に点を与えなかったことが、引き分けに持ち込めた要因」

こうなると、辻監督は手堅い。1-3と2点ビハインドで迎えた5回、無死一、二塁で5番の外崎に送りバントを命じ、二、三塁に。栗山が中犠飛を打ち上げ、着実に加点した。そして8回、栗山の適時打でついに追いつくと、9回には満を持して守護神・平良を投入。結局4回以降、4投手による無失点リレーで敗戦を回避した。指揮官は「4回以降に点を与えなかったことが、引き分けに持ち込めた要因。後ろのピッチャーが頑張ってくれました」と満足そうにうなずいた。

今季の西武は“山賊打線”に例年ほどの破壊力がなく、先発投手陣もやや手薄。しかし、ここにきてリリーフ陣の充実ぶりは著しい。森脇、増田、平良の“勝利の方程式”はもちろん、この日のような劣勢の展開でも、平井、水上、武隈らが試合を壊さずにつなげるようになってきた。

現在5位の西武は首位のロッテに11ゲームの大差をつけられ、CS進出圏の3位にも6ゲーム差。それでも、リリーフ陣という強みがある。就任後過去4年でリーグ優勝を2度果たし、Aクラスを逃したことがない辻監督の手腕に期待がかかる。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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