韓国の健康食品から「勃起不全治療剤」で摘発 併用厳格禁止の2成分が検出

韓国の健康食品から勃起不全治療剤が検出され、製造業者や流通業者らが大量に摘発された。

同国の衛生当局である食品医薬品安全処(食薬処)は16日、健康機能食品として販売されていた「レッソ」から、勃起不全治療剤成分であるシルデナフィルとタダラピルを検出し、この製品の製造と販売に関与した企業12社を食品衛生法違反などの疑いで捜査を依頼したと発表した。

参考記事:韓国でエゴマ油から発癌物質ベンゾビレン検出 「食べ物や薬品で相次ぐ…強力措置必要」農業メディア

食薬処は、勃起不全治療剤成分が含まれた健康機能食品が販売されているとの情報を入手し、インターネットショッピングモールで「男性スタミナ」、「発現時間は2時間後」などの性機能強化を暗示する内容の広告をした「レッソ」を回収して検査した。

同製品からは、食品に使用することができない医薬品成分シルデナフィル(93.6㎎/ g)とタダラピル(30.0㎎/ g)が検出された。この二つの成分は併用摂取も厳格に禁止されている。

画像:摘発されたレッソ/食薬処提供

単一の成分で服用する時も、頭痛や消化不良、心筋梗塞、心室不整脈、心血管系の出血などが発生することがあり、患者の疾患の有無、異常反応の発現、併用薬剤などにより、医師が慎重に投与量を決定し処方しなければならない。

摘発された企業のうち「済州メディネト」は、米国産の固形茶粉末161㎏を輸入しながら、そこに勃起不全治療剤成分が含まれているという事実を申告しておらず、食品製造加工業の登録もしないまま、固形茶粉末の一部をカプセル型の固形茶として不法製造した。

このように作られた製品は、計1万740点にのぼり、製品価額は26億8千万ウォン(約2.6億円)に上った。

健康機能食品の専門メーカーである「韓国ナチュラルファーム」は、「済州メディネト」から仕入れた固形茶粉末にビタミンを混ぜて「レッソ」製品3万3,440点(83億6千万ウォン相当=約8億円)を作ったことが分かった。

また、「ラッミ」、「チョンボティーエヌシー」、「コリア黄土遠赤外線協会」などもレッソの販売・製造・広告などに関わったため当局に摘発された。

食薬処は、「米国産固形茶粉末と、これを原料として作られたレッソ製品を現場で押収し処分中」であるとし、「今後も問題になった製品と類似の製品について通関検査を強化し、継続的に取り締まりたい」と述べた。

参考記事:韓国のラーメン、欧州連合が販売中止措置 1級発がん性物質を検出

参考記事:韓国製薬大手のサプリから発癌物質が検出 3社6品目製品をリコール

参考記事:韓国LGが希土類6割減のマグネット開発 「日本の技術は世界最高だが、AI学習で開発短縮」

© 合同会社WTS研究所