「22才の別れ」大ヒットフォークデュオ・風のメンバー大久保一久さんが死去

風のデビューシングル「22才の別れ」。(右から)大久保一久さん、伊勢正三(レコード会社提供)

フォークデュオ「風」のメンバーでミュージシャンの大久保一久さんが12日に死去したことがわかった。71歳だった。

かねて体調不良により活動を休止し療養していたが、家族に見守られながらの最期となった。

「風」は伊勢正三、大久保一久さんによるフォークデュオ。1975年、かぐや姫解散コンサート中に結成され、同年、PANAMレーベルから同年2月にリリースされた「22才の別れ」がオリコン・シングル・チャート1位を4週連続記録する大ヒットとなった。

その後も「あの唄はもう唄わないのですか」、「ささやかなこの人生」などヒットを連発し、一時代を築いた。

メンバーの伊勢は大久保さんへ感謝のコメントを寄せた。

〈やさしかった久保ヤンへ。

久保ヤンが「猫」、僕が「かぐや姫」のメンバーだった頃、出番前の楽屋の隅でいつも二人でギターの弦を張り替えながら、音楽の話をしたものです。思えばその頃から、すでに、「風」は結成していたんだね。

「風」の頃の僕達は、朝から真夜中までいつも一緒だった。再結成しようとしていた矢先に病気で倒れてから、長い間ほんとにがんばったね。

そして、朝方眠るように天国へ旅立ったと聞きました。「風」は今でも解散宣言をしていないデュオ。久保ヤンのやさしさがなかったら、「風」は存在せず、僕はただの孤独な男に過ぎなかったのです。

ありがとう、久保ヤン。おやすみなさい。

伊勢正三〉

伊勢は、自身のキャリア50周年を記念して、9月22日、日本クラウンよりアルバム「伊勢正三の世界~PANAMレーベルの時代~」、フォーライフミュージックよりオールタイムライブベスト「THE 伊勢正三」のリリースを目前に控えていた。

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