高校生陸上大会で女子選手が性的画像被害 厳罰化求める声も…関係者「見分けが難しい」

JOCの山下会長も撲滅を誓ったが…

京都府内で開催された高校生の陸上競技大会で性的画像の撮影行為が明らかになり、波紋を広げている。

京都府警は16日、同大会に出場した女子高校生の下半身を執拗に撮影したとして、府迷惑行為等防止条例違反の疑いで、京都市右京区の男性会社員(47)を書類送検した。調べによると、男性は4年ほど前から近畿や北陸の陸上大会で女子選手のお尻などを衣服の上から撮影。スマートフォンなどからは約5000点の画像が見つかっており、男性は容疑を認めているという。

アスリートが性的画像を撮影される被害はかねて問題視されており、昨年11月に日本オリンピック委員会(JOC)らのスポーツ関連団体は被害防止へ向けて要望書をスポーツ庁へ提出。JOCの山下泰裕会長は「スポーツ界全体でこのような卑劣な行為を撲滅に取り組んでいく。許さない!という雰囲気を作っていきたい」と語っていた。

今回の事案に対しては厳罰を求める声も出始めている。バルセロナ五輪女子柔道銀メダルの溝口紀子氏は同日、ツイッターにニュースを引用して「昔からあった被害。ようやく事件化されるようになりました。抑止のために厳罰化してほしいです」と投稿。また、SNS上でも「徹底的に取り締まってほしい」「もっと事件化を」との声が相次いでいる。

ただ、撮影行為の摘発は一筋縄にいかないようだ。陸上関係者によると「違反行為かどうかの見分けが非常に難しい。競技場で呼び掛けはしているが、誤認は絶対に許されない。かえって名誉棄損で訴えられる可能性もあるので」と困惑。取り締まりを強化しても、なかなか撲滅に至っていない現実がある。

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