【K―1】辛勝デビュー・石井慧の「誤算」と「期待値」を青木真也が分析

愛鷹に判定勝ちした石井。青木は「パンチの違い」を解説した

KOできなかった理由は? 20日の立ち技格闘技「K―1」横浜大会で愛鷹亮(31)を相手にK―1ルールに挑んだ石井慧(34)が延長の末、判定3―0で勝利した。初のルールに適性を示した一方で、ガードを固める試合運びに「塩」と酷評する声があったのも事実。この展開はなぜ生まれたのか。練習仲間でもある〝バカサバイバー〟こと青木真也(38)が忖度なく分析だ。

試合は石井がガードを終始固めつつ、圧力をかける展開。3ラウンド(R)を戦うも両者決め手を欠き、延長の末に石井が判定勝利した。

どんなにローキックを食らってもガードを下げず、試合後は「2か月前からローキックを蹴られるだけの練習をしていたから痛くなかった」と涼しい表情。後ろ手を縛って殴られる〝人間サンドバッグ特訓〟を行ったことを告白していたが、同様に脚の強化も行ったことが亀のごとき防御力を生んだようだ。

一方で決定打を欠いたのも事実だ。石井自身「(ガードが高かったのは)どうしても勝ちたかったので…。安全策を取ったのは僕らしいといえば僕らしいですけど。もっとガードしつつも攻めの方にもいけたら」と反省の弁を口にする。

なぜこの展開になったのか。その理由を青木は「やっぱりどうしてもパンチが〝押しちゃう〟よね。なんだかんだで(総合格闘技の)『クリンチにつなぐための打撃』と(立ち技の)『打撃のための打撃』は違うんですよ」と説明した。

さらに「石井さんは、ガードを固めてそこに相手が大きく振ってきたところに合わせようっていう作戦だったと思うんだけど、誤算は振らない相手だったっていうことだよね」と対戦相手との相性もあったと指摘する。

一方で今後については期待値が高いという。「一つ石井さんのアドバンテージがあるのは110キロの体ですよ。今のK―1で渡り合えるデカさの選手はいないから。それに今回、延長も入れて4R戦った経験は大きい」と力説。石井は試合後、将来的な京太郎戦実現を目標に12月4日のエディオンアリーナ大阪大会参戦を直訴したが、青木は「今後が楽しみ。期待ですよ」と太鼓判だ。

最後は「まずは石井さんがつないだバトンをIGFの仲間として(RIZIN参戦が決まった)奥田啓介がしっかり返してくれ。そして石井さんはラウンドごとに気付けとしてパン…(以下略)」とよく分からないことを言い出したが…。立ち技2戦目も、なんだかんだで気になってしまいそうだ。

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