なぜ守護神を三嶋から山崎に再配置転換したのか? 三浦監督が明かした胸の内

DeNA・三嶋一輝【写真:荒川祐史】

三嶋の今後の起用法に指揮官「勝負どころです」

■ヤクルト 5ー2 DeNA(21日・横浜)

守護神の座を明け渡したDeNA・三嶋一輝投手が力強く再出発した。21日に本拠地・横浜スタジアムで行われたヤクルト戦で、2-5と3点リードされた7回に登板。1回無安打2奪三振無失点に抑えた。

この日の最高球速は155キロ。山田には内角高めの速球、村上には外角低めのフォークを振らせて連続三振に切って取り、続くオスナをインハイの速球で捕邪飛に仕留めた。

「本当にいいボール。気持ちも入っていた」と称えたのは三浦大輔監督。三嶋の今後の起用法については「勝負所です。今日も試合の流れを変える投球をしてくれましたから」と語った。リードしている展開のセットアッパーとして、マウンドに上がることが増えそうだ。

そもそもヤクルトと中日に対しては21日現在、自責点0、防御率0.00の完璧な内容。広島にも対戦防御率1.29と申し分ない。ただ、阪神には同6.75、巨人戦に至っては同11.17。特に巨人には、今季開幕戦で亀井にサヨナラ弾を浴びたトラウマなのか、不思議なほど打たれ続けた。

三浦監督は三嶋と山崎を個別に呼び、配置転換を直接通達した

今月15日の巨人戦(東京ドーム)の9回、三嶋が2点リードを守り切れず逆転サヨナラ負けを喫すると、三浦監督はクローザーを昨季途中まで務めていた山崎康晃投手に戻す決断をした。広島遠征中、三嶋と山崎を個別に宿舎ホテルの一室に呼び、直接通達したという。

指揮官は「理由を説明しました。三嶋に最初抑えを任せた時の決断も簡単ではなく、腹をくくってやってきた。簡単に替えられるポジションではない。しかし、一方で決断しなければならない時もある」と胸の内を明かした。18日の広島戦(マツダ)では山崎が今季初セーブを挙げ、三嶋はベンチを外れていた。

アレックス・ラミレス前監督時代の昨季、最多セーブ投手2度の実績を誇る山崎が不振に陥り、7月下旬に三嶋が抑えの座を継いだ。三浦監督が就任した今季も引き続き任され、巨人、阪神戦以外は役割を果たしてきたと言えるだろう。

三浦監督は「(三嶋は)配置が変わっても、やってもらわないと困る投手。ひとつひとつアウトを取り、周りの信頼を勝ち取っていくしかない。その積み重ねだと思う」と鼓舞する。三嶋と山崎が“ダブルストッパー”と呼ぶにふさわしい状態になれば、チームにとってこれほど心強いことはない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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