【ウナギ・サヤカ】<インタビュー①>5★STAR GP2021とCOSMIC ANGELSの絆について

ウナギ・サヤカが絶好調である。2020年11月にスターダムに参戦すると中野たむ、白川未奈とCOSMIC ANGELSを結成。翌12月にはアーティスト・オブ・スターダム王座を戴冠し2021年9月現在まで7度の防衛を果たし、同王座の防衛記録を更新中。

2021年2月には「ウナギ・カブキ7番勝負」を経験し、翌3月のオールスター・ランブルでは24選手を相手に勝ち抜き勝者となった。7月のフューチャー・オブ・スターダム王座決定トーナメントの決勝で同ユニットの白川未奈に敗れるも、2週間後の7.17ベルサール高田馬場大会で白川未奈に勝利しフューチャー・オブ・スターダム王座を獲得。

ここまで桜井まい・吏南・月山和香を相手に3度防衛中で他団体からスターダムにやってきた選手の査定試合に自ら積極的に手を挙げるなど、この1年で最も成長し勢いのある女子プロレスラーの1人である。

そんな2冠王のウナギ・サヤカ選手にプロレスTODAYはインタビューを実施。現在実施中の5★STAR GPやCOSMIC ANGELSの仲、激闘を重ねるフューチャー・オブ・スターダム王座に対する思いや今後の野望などについて語ってもらった。

(インタビューは前・後編の2編に渡る)

【5★STAR GP2021について】

――人気沸騰中のウナギ選手ですが会場でも一番人気があるのでは?と見てます。

ウナギ やった~!

――5★STAR GP、初戦の中野たむ戦、同門対決でユニットリーダーに対する勝利はいかがでしたか?

ウナギ 自分の中でもがむしゃらすぎて想像してなかったというのが正直なところです。自分でもびっくりしました。

――ユニット内で勝ったことに対してはどうですか?

ウナギ 勝ったのは白川未奈に続きだったので、私がCOSMIC ANGELSのリーダーだと思ってます。元々会見の時に、たむさんが初戦だったので「勝ったらリーダー交代します」と言っていたら、本当に勝ったので私がCOSMIC ANGELSの柱のつもりでやってます。

――AZM選手には白星をあげてます。この試合はいかがでしたか?

ウナギ 7番勝負で当たった人達には感謝の気持ちしかなくて、今、桜井とかとやってますけど「マジで誰?」みたいな人といきなりシングルで、よくわからないまま対戦するのは、自分の貫録も出さなきゃいけないし(相手の良さも)引き出さなきゃいけないというのもあって、課題があると思うんですね。逆に私の7番勝負に関してはあっち側の7番勝負でもあると思っていて、こっちはただがむしゃらに勝ちにいきたいけど、当たる方としては一貫したテーマがあるけど、当たられる方は「7人やった中で誰が一番いい勝負できる?」となるじゃないですか?という中でスターダムというものを知れたし、7番勝負があったから、色んな思いを持てたので。超えたいし(恩を)返したいと思えたし、AZMさんはパワーと貫録以前に頭が無茶苦茶いいなと思っていて。あんな18歳います?ってずっと思ってて。

――プロレスがうまいっていう感じですか?

ウナギ 「この切り返ししてくるんだ…」「ここで入ってくるんだ…」とか。身軽だし、目で追えないところがあるので、そういう意味では横浜武道館で2連勝をとれたのは、自分の中で公式リーグ戦に対しての自信につながりましたね。

――林下詩美選手には黒星となりました。

ウナギ そうですね。楽しかったですね。やっぱり、たむさんもそうなんですけど、今、シングルベルトを巻いている王者とシングルで戦うのは、タイトルマッチじゃないと実現しないじゃないですか。という中で今回のBLUE STARSはシングル王者がこっち側にいるので、戦えるのはおいしいし、この先の未来を考えて、自分がもしも赤(いベルト)に挑戦するってなった時に、その前に対戦できると考えると、大きいかなって。私、初めてスターダムにあがって対戦したのは(林下)詩美さんだったんですけど、そこから見ても自分的にも、心の余裕というか、あの時にはいっぱいいっぱい過ぎて味わえなかった林下詩美を、 改めて「これが赤のチャンピオンなんだ」っていうのを自覚しながら戦えたのは、凄くこっち側にいてくれて良かったいう気持ちでいっぱいです。

――スターダムへの参戦時に比べると林下詩美選手も偉大な選手になっていて、ウナギ選手も彗星のごとくかけあがっていて、最初に戦った時との印象の違いもあったと思います。そういったお互いの成長みたいな部分は感じましたか?

ウナギ 天才だと思いますね。詩美さんに関しては技一つにしても魂がこもっているというか。私もベルトを巻いている以上、チャンピオンらしくいなければいけないというのは頭にはあるんですけど、それ以上にキツイ思いとか背負われているものの大きさとかは圧倒的に違うので、立っているだけで貫録が凄いなって他の試合でも思いますし、そういう相手とあたれたのは自分にとって、チャンピオン同士としての一つの財産かなと感じています。

――いずれ赤のベルトに挑戦する時がきたら、試金石になるかもれませんね。

ウナギ そうですね。

――舞華戦はドローになりました。この試合はどうでしたか?

ウナギ 楽しかったですね。舞華戦はプロレス史上一番楽しかったです。

――どの様なポイントでテンションが上がったんでしょうか?

ウナギ あんな血まみれになって「来いよ!」っていう人います?「何これ?」って思って(笑) …興奮しましたね。あの血があったからこそ、2人とも覚醒したじゃないですけど。

――人間の本能ですか?

ウナギ シンデレラトーナメントで負けてたし、2019年デビューで同期なんですよね。だけど赤(いベルト)に挑戦してたり、ゴッデス(オブ・スターダム)巻いてたり、先を行かれてる中で、舞華にぎゃふんと言わせたいなという気持ちがあったので、公式リーグ戦というかシンプルにめちゃめちゃ楽しかったです。

――2人にしかわからない燃え盛る戦いの熱もありますよね。でもちゃんとお客さんにもそういうのは伝わってます。

ウナギ 伝わってました?(笑)

――初参戦の人と対戦するのは技量を試されてるっていう違う意味での緊張感もありますよね。そういう意味では舞華選手とは同期デビューというのもあってお互いがとってやるっていう所があってよかったと思います。

ウナギ リング上であんなに笑ったことないと思うんですよね。ずっと楽しくて。終始二人ともニヤニヤしていたと思います。

――本当に楽しかったんですね。

ウナギ めっちゃ楽しかったです。

――今回はドローで時間切れで終わってしまいましたけど、どこかで決着を迎えて欲しいなと思います。

ウナギ 次はぶっつぶします!

――小波選手にはしてやられてしまいましたが、どうでした?

ウナギ 勢いが凄いあるなって。底力もあるけど。序盤に落とされそうになったんですよ。たむさんも落とされてたので注意はしていたんですけど、関節地獄とはこのことですよね。気を抜いたら落ちるし、気を抜いたら入られてるというパターンが凄い多くて。なのに打撃も強いし。

――丸め込みもうまいですよね。

ウナギ そうですね。身体を支配されてるというか…いやぁ勝ちたいですね。

**――現在2勝2敗1分けで得点は5点ですが、前半戦を振り返ってみてどうですか?
(※インタビュー時)**

ウナギ どうですかね?

――まだ後半戦が4戦残ってます。

ウナギ それにしてもこっちの選手はエグすぎなんですよね。なんですか、これは!

――強敵が控えてますが。朱里選手が次戦となりますが

ウナギ 私は朱里さんと戦えた中で変われた部分もあるので。7番勝負の最終戦とSWAのタイトルマッチをやらせてもらえたので。今回は感謝の気持ちで取りに行きたいなと思ってます。

――朱里戦の後は身体の痛みもきついんでしょうか?

ウナギ そうですね。蹴りがめちゃくちゃ重いので。それぞれの選手で蹴りを使う方って鋭さとか重さって全然違う中でも、かなり攻撃が重い選手ではあるので。でもそういう意味でいったら、こちらの山はそういう選手が多いので、そこに関してビビるとか守るとか思うつもりも一切ないですし「これでぶっ壊れたら、これはこれでしょうがない」と思うので、とにかく勝てる試合をできる様にやっていきたいなと思います。

――彩羽匠選手戦もあります。今回の目玉の選手の1人だと思いますが…

ウナギ そうなんですよ!

――小波選手が勝ったりしてますけど、この後、あたる人も大変ですよね。

ウナギ 彩羽匠の試合は全部みてますけど、凄いですね。

――数多くの選手をなぎ倒してきた実績と、パワーとテクニック、そして切れのある蹴り、どこをみても一流選手です。

ウナギ いやーでも楽しみですね。今回、あんなス-パー級の選手がきて誰が心に残れるのかっていうのはあると思うので、そこは私が残りたいと思うので…ある意味一番楽しみですね。

――その後は琉悪夏選手との試合もあります。

ウナギ 琉悪夏に関してはフューチャーの権利もありますし、こないだも噛みついてきてましたけど、凄い成長しているというか、大江戸隊にいってから物凄い成長している選手なので、そういう意味でも何がくるか?凶器とか人が入ってきたりする可能性がある中でも、しっかり勝ちにいきたいと思います。

――最終戦では上谷沙弥選手が控えてます。

ウナギ 「歩く情報漏洩」には負けないですよ(笑)

――上谷選手も凄く成長してきていてお互いがどれ程成長しているのか、競い合っているような部分もあると思うのですが…

ウナギ 上谷も2019年デビューで同じですし、身長も一緒なんですよ、168cmで。ダンスもできるじゃないですか?私もダンス踊れるので。そういう経歴的なところでは似ているところがあって。7番勝負番外編で負けているので、でも彼女も彼女なりにどんどん成長してきていて、この間の西武ドーム、メットライフ2連戦に出たり、凄い経験をしていると思うんですけど。私も2冠とったり彼女がしてない経験もしているつもりなので、リーグ戦でどっちが伸びたか直接対決、楽しみですね。

――2人の交差点の良いタイミングになりそうですね。

ウナギ そうですね。

次ページ、【COSMIC ANGELSの本当の仲は?】に続く

【COSMIC ANGELSの本当の仲は?】

――COSMIC ANGELSのユニットの仲は本当のところどうですか?

ウナギ たむさんと未奈ちゃんは信用しているし、桜井が入ってくる時に「キラキラした世界に…」みたいなことを言ってて、それってファンと一緒っていうか。COSMIC ANGELSって華やかにみえるけど、みんな雑草魂じゃないですけど、色んな所でキツイ思いをしてきて今があって、このリングに上がったことによってキラキラしただけじゃない!っていうのを見せる為にやっているのに、結局その「キラキラ」に吸い込まれてきた人を入れるって、なんか私の中で違うなって感じていて。COSMIC ANGELSにキラキラを求めてくるのは側しかみてないなっていう気持ちしかなかったので、というのもあるし、ずっと3人でユニットが出来た時からやってきて。アーティスト巻いて「ずっと3人、ずっと3人…」色んな人が欠場して色んな組が変わったとしても、私たちはずっと3人でやってきたので、そういう意味では「ここで新しい人が入ってもなぁ」って思って。

――ちょっと違和感があるわけですね

ウナギ そうですね。受け入れられないですね私は。

――リング上でも桜井選手を受け入れないウナギ選手の思いが印象的でした。たむ選手はすぐに認めてましたけど。

ウナギ そうなんですよ。なんでー(怒)

――実は白川未奈選手はプロレスTODAYでプロレスデビューをする前にプ女子部長だったんですよ。

ウナギ 凄い!部長だったんですね。へー

――会場で一緒に取材したり、ライガーさんのトークイベントをやったりしてたんですけど。

ウナギ そうなんですねー

――白川さんともフューチャーのベルトをかけてお互いしのぎを削って、闘志むき出しの対応をしてましたけど、そういう時はお互いバチバチだと思うんですけど。終わった後は仲良くやってるんですか?

ウナギ コズエンって多分、大人だし。いい意味でも悪い意味でも個々が強いので「信じてるよ」っていう信頼関係というよりは、口にしないけどわかってくれるみたいなところが凄いあって。丁度いい距離感だし、絆っていうものに関しては、今まで3人しかいなかったてちうのもあるし、本当に何もできなかった私をあの2人が引きあげてくれたので。諦めないでいてくれたので。そういう意味でも桜井は個が弱すぎる。

――また桜井さんのことを(笑)

ウナギ たむさんも未奈ちゃんも濃すぎるじゃないですか?

――濃いですねー

ウナギ 今仮にコズエンなくなりましたってなったとしたら、どこも行くとこないというか。どこかに波長を合わせることできるの?っていう位の個の強さがあるので。それが3人一緒になっているから、COSMIC ANGELSは良いと思っていて。個としての意思とか、個としての強さみたいなものが強いので、そういう意味でも負けたくないし、リスペクトできるっていうのが2人に対しては凄く強いです。

――セコンドにつくこともあるじゃないですか?たむ選手の試合の入場前に笑わせたり、緊張をほぐしたりすることもありましたよね?

ウナギ そうですね。そういうのが楽しいですね。一番、ふにゃーっとしてますよね。

――リングにインする前は集中している人が多いと思いますけど、3人はいい関係ですよね。

ウナギ 会場を一番盛り上げたいんですよ。踊ってたら手を叩いちゃうじゃないですか人って?今特に声も出せないし、携帯で写真撮ると下向いちゃうし。だったらこっち向いて手を叩いてくれたら嬉しいなっていう意味も含めて、最強に盛り上げてるつもりなんですよ、あれは。楽しいです、自分も。逆にセコンドの指揮高めるじゃないですけど。それも含めて一番盛り上げたいなってコズエンは。

――1人で戦うのと3人で戦うのは違いますか?

ウナギ 全然違います。

――3人の方が楽しいですか?

ウナギ どうなんですかね。楽しくない時は勿論ありました。未奈ちゃんとバチバチしてる時に、タイトルマッチやったりとかしてた時は「え、なんでタッチしてくれないの?」とかそういうのはあったんですけど、1人で戦わないといけない時も必ず見ててくれるし、そういう意味では3人で戦っているので。1人ぼっちだなって思うことはないし。ただ1人で戦ってるときはセコンドを嫉妬させたいというのもあるので。

――その考え、いいですね~!

ウナギ 「今日組まれたカード、自分入ってないけど、どう?」みたいな気持ちは私はあります。「あの2人が組んだ時よりも、こっちがいいアシストできてるけど、どう?」って。そういう意味でもコズエンって個がちゃんと存在していて、馴れ合いがないので。お互いが主張しあって煽りあっていくのがいいのかな?っていうのは私の中にですけど。ユニット違えども全員味方だと思うし、全員敵だと思うので。例えば羽南さんとか自分になついてくれるんですけど、それもやっぱかわいいなって思いますし。いつかは自分の対角に立つ時に巨大なライバルになりえる人だと思うので。盛大に育って、育ったうえで潰したいなっていうのもあるし。本当にみんながみんな、一番良い状態で戦える世界になっていけばいいなと思います。

――プロフェッショナルの意識が高いですね。

ウナギ そうなんです。

――聞いてて気持ちいいです。

インタビュアー プロレスTODAY総監督
山口 義徳

【ウナギ・サヤカインタビュー②】フューチャー・オブ・スターダムで査定試合を行う理由と傾奇者の由来、ウナギにとってのスターダムとは?

© 株式会社リアルクロス