TOYOTA GAZOO Racing、2022年ダカールラリーの新カテゴリーT1+にハイラックス投入

 9月22日、TOYOTA GAZOO Racingは2022年1月2日にサウジアラビアを舞台としてスタートするダカールラリー2022に、4台のトヨタ・ハイラックスで参戦すると発表した。2022年は、これまでのT1カテゴリーを拡張する形で設定されたT1+カテゴリーに適合する新型ハイラックスを開発し投入する。

 近年、ダカールラリーのトップコンテンダーのひとつとして挑戦を続けているTOYOTA GAZOO Racing。その理念である『もっといいクルマづくり』に基づき、チームはハイラックスの改良を続けており、2022年のダカールラリーへ向けて、チームは最新のレギュレーションにあわせて開発したハイラックスを投入することになった。

 新カテゴリーのT1+に適合させたハイラックスは、2018年に最初のバージョンが開発され、2019年にダカール制覇を成し遂げた実績ある既存のハイラックスをベースにしているが、タイヤは32インチから37インチへと大径化するとともに、トレッドは245mmから320mmへと拡大され、サスペンションストロークも280mmから350mmへ伸ばされるなど、シャシーまわりは大きく変更された。

 また、エンジンは発売されて間もない新型ランドクルーザー300 GR-Sへ搭載されたV6ターボエンジンベースへと変更。このエンジンは市販状態で305kW(約415馬力)の出力を毎分5200回転、650Nmのトルクを毎分2000回転で発揮するが、ラリー仕様はさらにチューニングにより高出力化される。

 この新型ハイラックスをドライブするのは、2019年にトヨタに初のダカールラリー総合優勝をもたらし、自身4度目の総合優勝を目指すナッサー・アル-アティヤー/マシュー・ボーメル組、ジニール・ドゥビリエ/デニス・マーフィー組、さらに2回目のダカール挑戦となるヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組、シャミア・バリアワ/ダニー・スタッセン組という4台だ。

 TOYOTA GAZOO RacingはWECチーム、およびWRCチームがそれぞれのカテゴリーで勝利を挙げており、今後発表される予定の新型ハイラックスへの注目度も高まっている。WECチームがサーキットで、WRCチームが公道で活躍しているのと同様、ラリーレイドチームによるダカールでの活躍に期待がかかっている。

 2022年の大会もサウジアラビア1国を舞台とし、その砂漠地帯を時計まわりに回るルートで開催される。ラリーは1月2日にサウジアラビア北部のハイールをスタートし、南下してエンプティクォーターへと向かう。スケジュール中間となる1月8日にはサウジアラビアの首都リヤドでの休養日が設けられ、その後南西へとルートをとり、1月14日にジェッダでフィニッシュを迎える。

 この日公開されたプロトタイプは、開発中のカーボンファイバーボディのままテストを行っており、最終的なカラーリングは2021年終盤に発表される予定だ。

2022年モデルの新型トヨタ・ハイラックス(右)と従来モデル(左)
ナッサー・アル-アティヤーとマシュー・ボーメル

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