王者・拳四朗が矢吹正道にTKO負け 試合直前に明かしていた「ジレンマ」

健闘をたたえ合う拳四朗(左)と矢吹

再起を図れるか。ボクシングのWBC世界ライトフライ級タイトルマッチ(22日、京都市体育館)は寺地拳四朗(29=BMB)が挑戦者の矢吹正道(29=緑)に10ラウンド(R)TKOで敗れ、9度目の防衛に失敗した。今後について寺地永氏は「今のところは何とも言えない。本人次第」と未定と語った。

この試合を控える中、インタビューに応じていた拳四朗は「このままWBCのベルトだけを防衛し続けてもあまり評価されないんじゃないか」とジレンマを感じていた。目標を元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏の国内連続防衛記録V13超えに置き、確実に射程に捉えていた一方で他団体のベルト奪取を熱望していたのは「やっぱりベルトを持っている相手と対戦すれば、勝った時のすごさが詳しいファンだけじゃなく一般の人にも伝わる。分かりやすさという意味でも相手にはベルトを持っていてほしいんですよ」と名声への渇望からだった。

夢半ばで記録への挑戦は一旦ストップする形となり、現役続行となれば挑戦者として出直しとなる。それでも野望を果たすため、再浮上が期待される。

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