女子プロレス「スターダム」の渡辺桃(21)が秋の復権を狙っている。
佳境を迎えたシングルリーグ戦「5★STAR GP 2021」で、レッドスターズの渡辺は勝ち点10の2位で、首位スターライト・キッドを1点差で追う展開。ともに25日の東京・大田区総合体育館大会で最後の公式戦を残すが、渡辺の相手は負傷離脱のジュリアで不戦勝になるため、最終的な勝ち点は12で確定。一方、最終戦で岩谷麻優と対戦するキッドは、勝てば勝ち点13となる。
それでも渡辺は同日の優勝決定戦だけを見据え「自分がずっと落ちている状況は分かっている。私に残された道は、この5★STAR優勝だけ」と表情を引き締めた。
昨年12月のワールド王座戦で敗れてから、負の連鎖が続いた。今年に入っても3月のアーティスト王座戦、5月のゴッデス王座戦でことごとく敗北。春の「シンデレラ・トーナメント」も1回戦敗退に終わった。
結果を残せない日々が続きながらも、確かな自信が原動力になっている。3月3日の日本武道館大会ではシードリングの高橋奈七永に敗れたものの「私、まだできるじゃんって。タフさが残っているし、やれるところがあるのにやってなかったのかな」と確信した。
新たな刺激もある。2019年12月に団体への不満を口にして引退した葉月の現役復帰が決まったことだ。
渡辺は「おかしいでしょって思います。あんなにスターダムを批判してたよね?って。こっちは『スターダムは嫌い』と言われた側なので、よく戻って来られたなって。生え抜きがどうとか言っているのも、私はちょっとなって思ってしまいますね。1回辞めた人だよね?って」と語り、決して歓迎はしない。
その一方で「戦っている時は楽しいし、今あんなに野性的な人はいないんじゃないかなって。戦えること自体は楽しみだけど、共闘することはない」とリング上での再会を心待ちにした。
10月9日には女子では約26年ぶりの進出となる大阪城ホール大会が控える。「今は目の前のことしか見えていない。とりあえずは優勝しないと始まらないかなって。でも、いま欲しいベルトは赤いベルト(ワールド王座)」。リーグ戦初制覇を皮切りに〝収穫の秋〟を迎える。