好調DeNAに“ヤクルトの壁” 走攻守で見せつけられた首位チームとの差とは?

DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】

三浦監督も怒気含ませ「ミスが失点につながった」

■ヤクルト 2ー1 DeNA(22日・横浜)

DeNAは22日、本拠地・横浜スタジアムでヤクルトに1-2で競り負けた。前日の21日に始まったヤクルトとの3連戦。DeNAはそこまで3連勝、9月に限ればリーグ首位(9勝5敗1分)の勢いを持って臨んだ。かたやヤクルトも3連勝中。直接対決で両軍の明暗は分かれ、連敗したDeNAは5位に順位を下げ、連勝のヤクルトは今季初めて首位に浮上。試合内容には、現時点での両軍の“差”が浮き彫りになった。

「ミスが失点につながった。きっちりしないといけないですね。練習するしかないです、ハイ」。試合後、三浦大輔監督の口調は怒気を含んでいた。

先発の大貫は7回5安打無四球1失点の好投。唯一の失点は、1点リードで迎えた4回にミスで許した。2死一塁でサンタナを二飛に打ち取ったかにみえたが、飛球は左から右への強風に流された。深追いした二塁手のルーキー・牧が右翼手のオースティンと交錯。グラブに当てながら落球し、同点とされた(記録は適時二塁打)。

同点の9回に決勝点を奪われたのもミス絡みだった。1死一塁で西浦が投前やや一塁寄りへ送りバント。これをエスコバーと伊藤光が“お見合い”し、内野安打にしてしまった。ピンチが広がり、守護神の山崎にスイッチしたものの、代打・中村に中前へ決勝適時打を浴びたのだった。

守備面だけでなく攻撃面でも細かなミスが…

三浦監督は「(2つのミスは)両方とも最後のひと声が足りず、連係がうまくいかなかった」と指摘。「糧にして次のプレーに生かしてほしい」と言葉を絞り出した。

実は、DeNAのミスは攻撃面にもあった。同点の4回1死一、二塁で一塁走者の宮崎が捕手からの牽制に刺された。8回無死一塁では桑原の投前へのバントが強くなり、一塁走者が二塁で封殺された。続く柴田が犠打で二塁へ走者を進めたものの、佐野の右中間への鋭い飛球はヤクルト中堅手・塩見の広い守備範囲に阻まれた。

DeNAも9月に入ってから好調だったが、6年ぶりのリーグ優勝が現実味を帯びるヤクルトナインの集中力、結集力はそれを上回っていた。三浦監督は「ウチのモチベーションは、勝ちたい、今日の試合に勝つという思いです」と語るが、残り26試合でCS進出圏内の3位には10.5ゲーム差(22日現在)とチームとして現実的な目標を設定しにくいことは否めない。守りでアウトにできるところはアウトにし、攻撃では送るべきところでは送るという堅実さにおいて、ヤクルトが明白に勝っていたように見えた。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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