1軍復帰後は無傷の4連勝 DeNA大貫晋一は開幕直後の5連敗からなぜ復活できたのか

DeNA・大貫晋一【写真:荒川祐史】

4月13日のヤクルト戦から5連敗も、6月末に復帰後は6戦4勝無敗

■DeNA 7ー2 広島(1日・横浜)

昨季10勝を挙げてブレークしたDeNAの大貫晋一投手はプロ3年目の今季、5連敗を喫して2軍落ちするなど苦汁をなめたが、約1か月間の調整で変貌。1日に本拠地の横浜スタジアムで行われた広島戦では6回1失点で勝利投手となり、1軍復帰後無傷の4連勝を飾った。どこが変わったのだろうか。

今季トータルで5勝5敗、防御率4.70。横浜スタジアムでは今季初白星となった。お立ち台に呼ばれた大貫は「今日は今永(昇太)選手会長の誕生日なので、ウイニングボールを渡したいと思っていた」と明かしたものの、今永はこの日ベンチ外。「明日渡したい」と続けて笑わせた。

そんな“天然キャラ”の大貫だが、ペナントレース前半は表情がこわばっていた。今季2度目の登板となった4月6日の中日戦で初白星を挙げたが、同13日のヤクルト戦以降は5連敗。どこか自信なさげで、捕手のサインに7度も首を振るシーンが話題になったこともあった。

5月26日のオリックス戦で2回途中5失点KOされると、ついに2軍落ちを命じられた。だが、6月27日の阪神戦で1軍に復帰し白星をつかむと、以降の6試合で4勝0敗。鮮やかに復活を遂げた。

三浦監督「右打者の内角に投げ切れるかがポイント」

この日も8安打されながら、失点は4回に菊池の中前適時打で与えた1点のみ。2点リードの6回には1死一、二塁のピンチを背負い、それまで2打数2安打の菊池を迎えたが、内角ツーシームで遊ゴロ併殺打に仕留めた。この瞬間、大貫はグラブを右手で3度叩き喜びを爆発させた。

三浦大輔監督は「大貫の場合、右打者のインコースにしっかり投げ切れるかどうかがポイント。春先は引っかけたり、逆球が目立っていた。今もゼロではないが、少なくなってきた。その辺が結果につながっていると思う」と説明。この日の投球についても「内外角両サイドに、しっかり制球できていた。何度かあったコントロールミスも、行ってはいけない方(真ん中寄り)には間違わなかった」と評した。

一方、今季開幕投手を務めた浜口遥大投手がこの日2軍落ち。こちらは前日の8月31日の同カードに先発し、3回途中4失点KOを喫した。制球に苦しみ、四球で自らピンチを招いていた。三浦監督は「本人と話をしたが、メンタル的に考え過ぎている部分もある」と指摘。「これで終わりではない。なるべく最短で戻ってきてほしい」と期待を寄せた。

チーム打率.260は12球団トップで、チーム防御率4.37は12球団ワースト。“打高投低”がはっきりしている。それでも三浦監督は投手出身で「やられたらやり返す」がモットー。1人1人が臥薪嘗胆の調整期間を乗り越え、徐々に全体の底上げを図っていきたい。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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