サッカーW杯隔年開催案にUEFAが強い懸念表明「すべてはカネ」

UEFAのチェフェリン会長(ロイター)

欧州サッカー連盟(UEFA)が22日、国際サッカー連盟(FIFA)が主導して実現を目指しているW杯の隔年開催案について「重大な危険がある」と強い懸念を表明した。

UEFAはW杯の希少性の喪失、選手のコンディションへの影響などを強調したうえで「詳細を検討する可能性が誰にも与えられていない。(隔年開催案は)予期しない影響がある」と十分な議論がなされていないことや、隔年開催案のリスクなどを指摘した。

こうした動きを受けて米スポーツ専門放送局「ESPN」は「すべてはカネの問題だ」と分析した。

「各利害関係者がメンバーの利益に気を配っているということだ。FIFAは大多数の加盟国の利益のためにこれを推進している。一方でUEFAとCONMEBOL(南米サッカー連盟)も、利害関係者の利益のために行動している。この大会は世界中で非常に人気があるが、カネは主に2つの大陸に流れ、中でもほんの一握りの国、そして一握りの西欧のクラブに流れる」と現行のW杯は一部の強豪国だけに利益が集中していると糾弾。

「それは単なる収入の不平等にはとどまらない。それは機会、開発、成長への道の不平等だ」と大多数の国にとって不公平で、隔年開催案はサッカー界全体の利益のために推し進められているとの見方を示した。

FIFAとUEFAは双方とも譲るつもりはなく、今後ますます対立が激化しそうだ。

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