【藤井勘一郎コラム】仏で活躍中の小林智調教師 今年の凱旋門賞注目馬は? 

フランスで活躍する小林智調教師(右)と筆者(藤井騎手提供)

皆さんこんにちは、藤井勘一郎です。

水曜日(22日)にはクロノジェネシスの国内最終追いも行われるなど、今年も凱旋門賞(10月3日=仏パリロンシャン競馬場芝2400メートル)が近づいてきましたね。

今週の写真は、フランスで調教師をされている小林智先生とご一緒した時のものです。私の姉夫婦が向こうで生活していた事もあり、2014、2015年と現地に2回お邪魔して、色々と勉強させていただきました。

小林智先生のことは様々なメディアで紹介されているのでご存じの方も多いでしょうが、2009年からフランスで開業し、現地で奮闘中です。今年5月には管理するトウキョウゴールドがデルビーイタリアーノ(イタリアダービー)で厩舎初の重賞タイトルを獲得。7月には米国のベルモントダービーでも同馬が2着に入るなど、文字通りワールドワイドに活躍をされています。

日本からも様々なホースマンが研修でお世話になっていて、現在は先日ご紹介した西村淳也ジョッキー、以前は藤岡佑介ジョッキーや美浦所属の田中博調教師もジョッキー時代に行っています。もちろん、私もお世話になったうちの一人です。例年凱旋門賞に参戦する日本馬のサポートも行っていて、特に印象に残っているというのが初挑戦(2012年)の時のオルフェーヴル。前日の調教での弾けるような走りを見て、改めて半端ない馬だと感じたそうです。

ひとくちに競走馬の調教と言っても日本とフランスでは、環境やその手法が大きく異なるそうです。日本のトレセンは調教タイムが計測され、どこにいてもモニターで調教を確認することができますが、フランスではハロン棒も設置されていないのでタイム自体計測しません。調教の内容にしても日本では厳格なルールにのっとって行いますが、フランスでは規則自体が少なく、自由な調教が可能です。もちろん、どちらのシステムが優れている、という事では無くお国柄の違い、とでもいいましょうか。ただ、馬券販売に関しては日本と近いようですね。フランスにはブックメーカーが存在せず、馬券売り上げから競馬運営組織に資金が還元されるシステムになっているようです。

今年の凱旋門賞で小林さんが最も注目しているのが、7月の英国・キングジョージ6世&クイーンエリザベスSを制したアダイヤーだそうですが、もちろん日本から参戦するディープボンドやクロノジェネシス、武豊ジョッキーが騎乗する可能性があるブルームなどの活躍も楽しみにされているそうです。

凱旋門賞も楽しみですが、まずは今週末の競馬もお楽しみください。私もいい結果が得られるよう、ベストを尽くしますので応援よろしくお願いいたします。

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