巨人・中田翔が先制2ランで連勝に貢献 ミスターと阿部二軍監督、母に捧げる感謝の一発

豪快な先制2ランを放ち、小林(右)に笑顔を向ける中田

感謝の気持ちがこもった一発となった。巨人の中田翔内野手(32)が23日の広島戦(マツダ)で、先制の移籍後2号2ランを放った。

待ちに待った快音だ。21日の同カードから一軍に昇格したものの、ここまで7打数無安打とバットは沈黙。地元・広島での久々の凱旋試合だっただけに何とかいいところを見せたいところだったが、2回二死一塁で迎えた1打席目、玉村の投じた143キロの直球をとらえると打球は左中間スタンドへ。再昇格後初となる安打は、チームに先制点を呼び込む豪快な一発となった。

試合後、中田は「チームの足を引っ張ってしまっていたので。結果はもちろんそうですけど、それ以上に『自分らしく』打席に立てるように努力をしていきたいです」と謙遜気味にコメント。3打席目に自打球が当たり、直後の守備からベンチに下がるハプニングもあったが、これについても「全然、大丈夫です。しっかり(足に)当たっているので、様子見ながら、大事にならないようにやっていきたいと思います」と明かした。

支えてくれた多くの人に捧げる豪快アーチとなった。二軍での調整期間中には、長嶋茂雄終身名誉監督(85)や阿部慎之助二軍監督(42)らが直接指導。「長嶋さんもそうですし、阿部2軍監督もそうですけど、本当にいろんなアドバイスとか、いろんなことを勉強させてもらったので、今日も教えていただいたこと、手の使い方だったりを意識しながら打席に立ちました。こうやって結果として出た上に、チームが勝てたのはすごくよかったなと、今は安心しています」と、感謝の思いを伝えた。

家族も献身的にサポートしてくれた。地元・広島での凱旋試合となったが、中田は「(球場に)親は来ていないですね」。そして「ちょっと東京の方でバタバタしているので。僕自身がずっと1か月半ぐらいホテル住まいだったものですから。東京の方で手伝ってくれているので来ていません」と続け、電撃移籍により慌ただしくなっていた東京での新生活を支えてくれていることも告白した。

多くの人々の支えによって〝再起〟を図れた中田。感謝を胸に、残り試合も優勝に向けて本塁打を量産していく。

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