登板回避のロッテ・佐々木朗 周囲でささかやれる“温存説”の真相

優勝争いの切り札だ

先を見据えての措置だったか。ロッテの佐々木朗希投手(29)が23日に先発予定だったソフトバンク戦前に「腰部の張り」を訴え、急きょ登板を回避した。

プロ2年目右腕は前回10日の楽天戦で相手エース・田中将と投げ合い8回2安打2失点と好投。勝ち星こそつかなかったものの、同試合では自身プロ公式戦最速となる158キロをマークするなど覚醒の予感を漂わせていた。それだけに故障具合は気になるところ。しかもチームはここにきて主軸・マーティンが右足骨折、途中加入の助っ人左腕・ロメロも状態が悪く登板を控えている。そんな主力の故障者続出の中、佐々木朗も離脱となればリーグ優勝を狙うチームにとっては大きな痛手となる。

だが、今回の佐々木朗の突然の登板回避、周囲では「(首脳陣が)優勝に向けた勝負どころの戦力だけに無理をさせなかったのでは」と〝温存説〟がささやかれている。

先発投手の当日の登板回避はチームに多大な影響を及ぼすが、そんなリスクを冒してまでも佐々木朗を登板させなかったのは、首脳陣がシーズン最終盤の切り札として期待しているから。チーム関係者の一人は「首脳陣が朗希の長期離脱を未然に防ぐ意味合いで今回の措置を取ったはず」と断言し、そのうえで「朗希はここ数試合調子が上向きだったうえ、実力の片りんを見せつける投球内容だった。ここで無理に登板させて長期離脱にでもなったらチームの士気は下がり優勝も遠ざかる。今回はその思いが強かったからこその決断だったのでしょう」と話した。

9月初の連敗を喫した23日の試合後、井口監督は佐々木朗の登板回避について「昨日の試合終わりでちょっと腰が張っているという報告を受けて。(今日の)朝の状態で、ということだったんですけど厳しいということだった」と説明。今後については「そこまでトレーナーの報告では悪いということは聞いてない。次回何とか間に合えばと思っています。一度抹消? そこは今日と明日の状態を確認して判断します」と話した。

混迷するパの優勝争いを制するためには佐々木朗の力は欠かせないロッテ。切り札の早期復帰を願うしかない。

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