〈上越市長選〉公約発表し臨戦態勢 告示まで1カ月

 任期満了に伴う上越市長選挙(10月24日告示、31日投開票)の告示まであと1カ月。出馬を表明している元市議の中川幹太氏(46)、前副市長の野澤朗氏(64)はいずれも政策公約を発表しており、〝決戦〟に向けて動きは加速している。動向が注目されている元市長で現市議の宮越馨氏(80)は、陣営関係者が20日の立候補予定者説明会に出席したが、出馬についての態度は明らかにしていない。

◇中川氏陣営 細かく回り支持を広げ

 中川氏は「ふるさとを愛そう!~上越市を変えよう~」がスローガン。政策公約では、「木田庁舎の一極集中から『地域分権』」とともに、予防介護・医療の推進、歴史文化を生かした「通年観光」を柱に据える。併せて、「特定の業界と既得権益によるしがらみのない政治」を掲げ、活動している。

 中川氏にとって、市長選は今回が2度目の挑戦。4年前の前回は、3選を目指した現職、村山秀幸氏との一騎打ちとなり、5万1147票を獲得したものの1462票差で敗れた。後援会の水澤弘行副会長は「(中川氏は)これまでに市議選、市長選とやってきている。知名度はあるのでは」と話す。

 陣営では現在、「街宣で細かく回る」活動に主眼を置く。中川氏は「『細かく、よく回って、軒先までいきたい』というタイプ」(水澤副会長)といい、19日の街宣では路地裏や田んぼ道に入り、地域住民にあいさつする姿が目立った。

 中川氏は「全体的に(市民の)反応が良い」と手応えを語り、今後は「とにかく、まだあいさつ回りできていない所に行く」と同時に、「要望を受けてミニ集会、というパターンが増えており、それを繰り返していきたい」と意気込む。

◇野澤氏陣営 知名度向上へ街頭演説

 野澤氏は「さぁ 進もう。新しい上越市へ」をキャッチフレーズに活動。政策公約では、新型コロナウイルス感染症対策で10億円規模の補正予算を「12月議会で組む」ことをはじめ、特認校制度を使ったプログラミング小中一貫校設置、10億円を目標額とするふるさと納税、アクティブスポーツ振興、中心市街地のリ・デザイン(最適化)などを打ち出している。

 選挙戦でのポイントの一つが、自身の知名度向上。市内全域での街宣やあいさつ回りなどの他、9月中旬からは人通りの多い場所での街頭演説など「露出」を意識した活動に本腰を入れている。

 内山米六後援会長は「(野澤氏は)市役所で随分と役職をこなしてきたが、『知る人ぞ知る』という状況だった」としつつ、「多くのご支援を頂きながら活動してきたおかげで、知名度も相当上がってきていると思う」と手応えをにじませる。 

 19日には、かに池交差点付近、直江津ショッピングセンターエルマール前で街頭演説を実施。県議と複数の市議が応援弁士を務めた。野澤氏は「市民の生活をお守りしながらも、新しい上越へ向けて、皆さんとお話ししながら『対話』と『納得』で進んでいく」と訴えている。

© 株式会社上越タイムス社