全国中学柔道 双子がそろって3位入賞! 堀 暁登、陽登 兄弟(喜々津中)

全国中学柔道大会で銅メダルを手にした堀兄弟。(左から)66キロ級の暁登、73キロ級の陽登=ALSOKぐんまアリーナ

 8月下旬、前橋市のALSOKぐんまアリーナで行われた全国中学柔道大会。長崎県の喜々津中3年の堀陽登、暁登兄弟が、そろって個人戦で銅メダルを勝ち取った。「初めて全国3位になれてうれしい」。競い合って成長してきた二卵性双生児の声が弾んだ。
 66キロ級の暁登は全国大会初出場。「夢みたいなところで緊張した」が、兄のおかげで和らいだ。「後ろに倒そうとして前に倒せ」というフェイントのアドバイスも実践。得意技の内股で、3回戦、準々決勝は“秒殺”して4強入りした。2人で毎晩走り込んだスタミナ強化も効いていた。
 同時進行だった準々決勝。押され気味だった73キロ級の陽登は、隣の畳で勝ち名乗りを受ける弟を見て奮起した。「負けてられない」。磨いてきた寝技で果敢に攻め、後ろけさ固めで一本勝ち。喜々津小6年の時に越えられなかった全国8強の壁を越えた。
 父の光さんが高校で柔道を教えていた影響で、幼いころから畳の上で遊んでいた。悩みごとがあれば、今も父に助言を求める。相撲の元国体選手で、長年指導者として活躍した祖父の美奈登さんから昔話を聞く機会もある。勝負師の遺伝子を受け継いでいる。
 本格的に競技を始めたのは小学1年から。小中学生を一貫指導している多良見少年柔道教室に入った。創設メンバーでもある高屋昌法監督は「30年ほど前に始まった喜々津中の歴史で全中3位は初めて」と驚く。2人とも吸収力が抜群で、教えた技をすぐに覚えたという。今回は「普段からきつい練習も楽しんでやっている。全国で力の半分も出せない子が多い中、楽しんで全力を出してきた」と勝因を挙げた。
 2人とも高校でも柔の道を歩むつもりだ。進路は決まっていないが「同じ高校でやりたい」と思っている。「次はもっと高いところを目指す」。そろって日本一へ。将来が楽しみな柔道ツインズが頭角を現してきた。


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