巨人・岡本和は「投手の生活」を背負えるか 師匠が伝授する〝3冠への極意〟

巨人・岡本和の〝3冠〟はなるか(東スポWeb)

〝攻守3冠〟も見えてきた。巨人・岡本和真内野手(25)が24日の阪神戦(東京ドーム)で38号3ランをぶっ放し、106打点に伸ばした。本塁打、打点ともに堂々のリーグ1位。さらに、失策4で念願の「ゴールデン・グラブ賞」初受賞も射程圏に入れる。巨人の現役時代に三塁の名手として3度(2013年、14年、16年)の栄冠を手にした村田修一野手総合コーチ(40)が明かした「極意」とは――。

勝ち切れなかったが、負けはしなかった。9回に右ヒジの違和感から19日ぶりに〝ぶっつけ登板〟したビエイラが1点リードを守れず同点。最後の攻撃では一死満塁のチャンスをつくったが、相手の好守にも阻まれ、6―6の引き分けに終わった。

ドロー劇の中で抜群の存在感を示したのが岡本和だ。3点ビハインドの3回に西勇からバックスクリーンへ特大3ラン。ひと振りで試合を振り出しに戻してこの日、37本で並んだヤクルト・村上に再び1本差をつけ、98打点に伸ばした村上を8差に突き放した。

両雄のタイトル争いは今後もデッドヒートが繰り広げられそうだが、今季の岡本和が明確な個人目標に掲げる初の「ゴールデン・グラブ賞」にも前進し続けている。三塁手部門はこちらもDeNAの宮崎と〝大接戦〟。岡本和は120試合、宮崎は119試合の出場で失策はともにリーグ最少の「4」となっている。

ホットコーナーで栄冠を得るためには、どんな心構えが必要なのか。岡本和にとっては良き兄貴分でかつての「4番・三塁」、背番号25の先輩でもある村田修コーチはこう語る。

「僕はもう(守備と打撃は)別物だと思っていました。バッティングは僕の給料に反映しますけど、守備はピッチャーの給料にも反映しちゃうので。(自分が)エラーしてランナーを出して負けをつけたりしたら…。だから『人の生活もかかっているんだ』『ピッチャーの家族も背負っているんだ』というぐらいの気持ちで守っていました。それぐらい重いものを背負っているつもりでした」

背負う覚悟が重かったからこそ「(攻守で)切り替えないといけない」との思考に至ったという。同僚の〝家計〟まで意識してプレーするようになったキッカケは、11年オフに横浜(現DeNA)から巨人にFA加入してから。「巨人はやっぱり勝たないといけないチーム。もちろん、横浜が勝たないで良かったというわけじゃないですけど、12球団の中では(巨人が)一番勝ちに重みがある。そういうことを考えると、そこは切り替えないといけない」とハラをくくったそうだ。

最後はかわいい後輩に「そういう重いものを背負っているつもりで(動きは)柔らかく守ってほしい」とメッセージも送った村田修コーチ。ペナントレースは残り23試合。岡本和は攻守でチームをV3に引っ張り、悲願も成就できるか見ものだ。

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