上越市出身・パラ競泳 石浦智美選手 出場全種目で入賞 大舞台で緊張や充実感

海外勢のレベルを痛感

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東京パラリンピックの競泳視覚障害S11クラス女子で出場全3種目に入賞した上越市出身の石浦智美選手(33、伊藤忠丸紅鉄鋼)がこのほどZoomでの取材に応じ、初の五輪の活躍や印象、今後の抱負などを語った。4度目のパラリンピック挑戦で悲願の出場を果たし、50メートル自由形で7位、100メートル同で自己ベストを塗り替え8位に入賞した。混合400メートル49ポイントフリーリレーでも第3泳者で日本チームの5位入賞に貢献し、4分8秒66のアジア新記録をマークした。大会が終わってからしばらくは休養に充て、10月から練習を再開するという。27、28の両日に帰郷し、村山秀幸市長や母校を表敬訪問し、入賞を報告する。

 ―初めて出場したパラリンピックはいかがでしたか。

 目標としていた50メートル自由形で金メダルを取れませんでしたが、初出場で世界のレベルが上がっている中、全種目で入賞でき、良かったです。再レースとなった専門種目の50メートル自由形、日本チームの一メンバーとしてのリレー、苦手種目である100メートル自由形と、どれも緊張の絶えないレースばかりでした。1本目の決勝(50メートル自由形)は緊張もしたし、プレッシャーを強く感じましたが、最後の種目100メートル自由形で自己ベストを出し、決勝に進めた時は、素直に頑張ってきて良かったとうれしくなりました。

 始まる前はパラリンピックという実感がなかったですが、予選から全体的に海外の選手が良い記録を出していたので、コロナ禍で延期となった状況下でも、トップの選手はちゃんと練習して臨んでいるんだなという印象を持ちました。

 世界選手権やアジア大会と違って、競技の技術面や体力面だけでなく、メンタル的なところなど、いろいろな要素が入り、全てが整った状態でないと、勝ちにいけないことを肌で感じました。体のコンディションはうまく合わせていけたし、練習もおおむね積むことができた上で挑みましたが、パラリンピックという大舞台でまだ実力不足を感じました。

 ―レースをしての印象は。

 中国の選手が大きくレベルアップしてくると思っていました(S11女子50、100メートル自由形は中国選手がメダル2個ずつ獲得)。中国の選手は、来年のアジア大会の開催国でもあり、その辺りを意識してやっていたのだと思います。また、S11は、戦術でS12の弱視のクラスから下りてくる選手もいて、選手が増えています。視覚障害の場合はクラス分けで診断書を取りますが、本人の申告制となります。ブラックゴーグルを掛けることは平等ですが、弱視の選手と比べると、練習のレベルも変わってきますので、公正性を考えると不利な状況はあると思います。

 一方で、S11の女子もレベルが上がり、他のクラスと同じような競技性を持てると実感しており、観戦する皆さんにとっても面白いレースになったと思います。50メートルに関してはオリンピックと同じぐらい、コンマ何秒の戦いです。そこに食い込んでいけたのは良かったと思っています。(再レースを申し入れた)オランダの選手にレース後、会うことがあって、再レースを申し込んでくれてありがとうと伝えました。

ライバルでもあり、50メートル自由形決勝の再レースを申し込んだオランダの選手(左)と石浦選手(本人提供)

 リレーは視覚障害の程度が違い、男女の泳ぐ順番も作戦です。チームで世界と戦うのは厳しいですが、引き継ぎの練習も数度と重ねた上での参加となりました。楽しくもあり、今回はアジア新記録を出せて良かったです。      

つづく