ハイエースはイヤ! と家族のNG喰らったら… 車中泊&キャンプの友「NV200バネット」があるじゃないか!

車中泊やキャンプなどのアウトドアレジャーを極めると欲しくなってくるのが、SUVやミニバンよりも積載性に優れた“バン”だ。代表格は1BOX型の「トヨタ ハイエースバン」だが、あまりにも商用車然とした格好や、実サイズ以上に大きく見えて運転し辛そうなイメージで、奥様などご家族から拒絶されるケースもあると聞く。そこでオススメしたいのが日産の「NV200バネット」だ。見た目はミニバンと変わらないスタイル。サイズもコンパクトだから駐車場なども扱いやすく、それでいて室内は広い。アウトドア派から密かに注目を集めるNV200バネットを紹介しよう。

日産 新型NV200バネット[2021年7月13日(火)一部改良] [Photo:NISSAN]

商用バンながら、乗用車同様のFFレイアウトの乗りやすさが自慢の「日産 NV200バネット」

クリーンで普遍的なデザインで長く愛され続ける「日産 NV200バネット」

日産のコンパクト商用バン&ワゴン「NV200バネット」は2009年5月、それまでの小型1BOXバン「バネット」に代わるモデルとして誕生した(実際にはその後も2017年までバネットバンは併売されていた)。

欧州市場など海外展開も考慮し、1BOXタイプでは一般的な座面下のエンジンレイアウトではなく、乗用車同様のFFレイアウト(前置きエンジン前輪駆動)としたことで、前部にボンネットがあるミニバン風なスタイルとしたのが大きな特徴だ。

ボディサイズは全長4400mm×全幅1695mm×全高1855mm、ホイールベース2725mm。日産のミニバン、セレナのサイズが全長4685mm×全幅1695mm×全高1865mm、ホイールベース2860mm(標準モデル)だから、それよりもひとまわりも小さく、4ナンバーもしくは5ナンバー枠に収まるコンパクトなサイズだ。

1B0Xタイプに比べ狭まることを最小限に抑えるため、ボディ後半は効率の良い四角い形状。後輪のタイヤも最大限外側へ配置するなど、荷室空間の確保に努めた。大人2名の車中泊なら余裕の空間が広がる。

当時の「セレナ」も手掛けた日産の社内デザイナーによるクリーンで普遍的なデザインにより、デビュー12年を迎えた今も古びて見えないのも魅力のひとつだ。

デビュー12年が経過したが、地道なアップデートにより最新の運転支援機能なども備わる

前述の通りNV200バネットはデビューから12年が経過しているが、地道な改良によるアップデートが繰り返され、最新の衝突被害軽減ブレーキなども標準装備されている。

直近では2021年6月13日(火)にも一部改良を実施した。アイドリングストップ機構の追加や、2WDモデルのトランスミッションをCVT化したことなどで燃費性能が向上。装備面でも改良を加え充実が図られた。

アウトドア志向の個人ユーザー増加に対応しメーカー純正車中泊仕様も設定! 専門ショップによるキャンピングカーも多数

日産の子会社オーテックジャパンが手掛ける「マルチベッド」, 荷室にはフラットで脱着可能なベッドキットが搭載される
日産の子会社オーテックジャパンが手掛ける「マルチベッド」, 荷室にはフラットで脱着可能なベッドキットが搭載される

メーカーでも、車中泊やアウトドアレジャー用途といった個人ユーザー需要の盛り上がりに対応し、純正の車中泊仕様車「マルチベッド」なども用意されているのが嬉しい。

専門ショップによるNV200バネットベースの個性的なキャンピングカーも数多く揃う[写真は「RIW NV200」(アネックス)]

また、新車をベースにしたキャンピングカーも、複数の専門ショップで用意されている。各ショップの特色を生かした個性的なモデルも多く、予算や好みに応じて比較検討してみると良いだろう。

スタイルを変えず長く売られている利点を活かし、お得な中古車を手に入れるのもお得な買い方だ

いっぽうで、長く生産されるモデルだけに、中古車の数も豊富だ。安く手に入れ、浮いた予算で自分好みにカスタマイズしていくことも楽しめる。大人気のハイエースほど豊富ではないが、専用のカスタムパーツや、荷室用のベッド用キットなども市販されているから、DIYが苦手だという方でも専門ショップに相談してみると良いだろう。

ちなみに、地道な改良が重ねられたNV200バネットだが、いっぽうで外観上の変更はほとんどない。中古車でも古く見えない、というのは重要なポイントである。

乗ってみるとどうなの!? ハードル高いハイエースに比べ、良い意味で「普通の乗り味」だった

写真は2021年春まで生産されていたNV200バネットのタクシーキャブ仕様

日頃コンパクトカーや軽などに乗るユーザーからすると、いかにも商用車然とした大柄(に見える)格好のうえ、いざ乗り込むにしても「よっこいしょ」と声が出てしまうほど着座位置が高いハイエースは、確かになかなかハードルが高い。

乗り慣れればむしろその扱いやすさに気付く「トヨタ ハイエース」だが、さすがに『見た目がNG』と言われてしまうとどうにもならない…

実際に運転してみても、フロントタイヤの位置が乗用車とは異なるからハンドル操作も違和感があるし、目線もかなり高いから、最初のうちは慣れが必要となる。

それに比べると、NV200バネットは至って普通の乗り味だ。積載による荷重や長距離走行での耐久性を重視した足回りのため、乗り心地はミニバン並みという訳にはいかないが、それでも違和感はほとんどないはずだ。

もし試してみたいなら、日産の販売ディーラーに試乗車がある場合もある(必ず事前確認のこと)し、中古車狙いというならレンタカーで車種指定し、チョイ乗りしてみるのも良いだろう。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:NISSAN・TOYOTA・MOTA編集部]

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