ソフトバンクは25日の日本ハム戦(ペイペイ)に4―2で逃げ切り、CS進出圏内の3位楽天とのゲーム差を再び2に縮めた。前夜は追いかける展開で投入したモイネロと森がそろって被弾するなど、最下位相手に痛い敗戦。逆襲へ「形」を取り戻す勝利だった。
最後は守護神・森が三者連続空振り三振で締めた。その前の8回はモイネロが3人で斬り、2点リードの7回は岩崎が無死一、三塁のピンチを自ら招きながらも意地で無失点にしのいだ。「勝ちパータン」の3人で締めて勝ったのは、実に4月21日以来だ。
指揮官はこの日の勝利の意味をこう語った。「あの3人のところまでいけば勝てると。チームとしても、そこまでに何とかしようという気持ちも盛り上がる。そこまでいったら今日は勝ちだという風に思えたら、チームとしての勢いも変わる」。待ち望んでいた形だけに笑顔がはじけた。
先発・石川に勝ちが付いたのも大きかった。2週間前の日本ハム戦(札幌)で1回持たず10失点(自責3)KO。「プロ野球選手はやられたらやり返すという強い気持ちが大事。エイヤーで投げればいい」。そう監督から背中を押された右腕は、6回途中2失点で6勝目を挙げ、リベンジに成功した。積極的にストライクゾーンで勝負したことが真っすぐに強さとキレを生み、変化球も生きて10奪三振。札幌の悪夢を振り払い、復調のきっかけをつかんだ。
試合後「我々はとにかく勝っていくしか方法はない」と、すぐさま次戦に目を向けた工藤監督。まずは頭上にいるライバルを1つずつ引きずり下ろし、重圧をかけていく。