希少種保護へ持ち出し状況空港で初調査 世界遺産の奄美 環境省

 環境省は18日から26日、奄美市の奄美空港で、世界自然遺産に登録された奄美大島に生息する希少種の保護に向け、島外への持ち出し状況を初めて調査した。種の保存法や県条例に違反するケースは今回なかった。結果を分析し、密猟防止や規制外動植物の大量持ち出し対策につなげる。

 機内に持ち込む手荷物や貨物の全てを対象に乗客の同意を得て調べた。動植物が入っていると分かった場合、調査員が立ち会い、種類や捕獲・採取場所を任意で聞き取った。

 奄美大島では2019年以降、希少種の密猟を3件摘発。国立公園の特別保護地区で昆虫採取目的の違法わなも見つかった。違法ではない生物の大量持ち出しがあったが、捕獲場所や種類を詳細に把握できていなかった。

 環境省奄美群島国立公園管理事務所の後藤雅文・離島希少種保全専門官は「今回のデータを生かし、密輸の水際対策や捕獲場所の監視強化に関係機関と連携して取り組む」と話した。

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