【秋場所】師匠の還暦土俵入り間近 照ノ富士Vで“最高の恩返し”

師匠へ恩返しを果たした照ノ富士(東スポWeb)

大相撲秋場所千秋楽(26日、東京・両国国技館)、新横綱照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)が13勝2敗で2場所ぶり5度目の優勝を果たした。1差で追う幕内妙義龍(34=境川)が先に敗れた時点で賜杯が確定。結びの一番で大関正代(29=時津風)を寄り切って有終の美を飾った。

師匠で審判部長の伊勢ヶ浜親方(61=元横綱旭富士)は「今日はよかったんじゃないですか。自分から攻めて、まわしも引いた。今場所一番に近い相撲だったんじゃないか」。新横綱として土俵に立った15日間については「落ち着いて相撲を取っていましたね。十分責任を果たしたんじゃないですか」とうなずいた。

その伊勢ヶ浜親方は10月3日に国技館で赤い綱を締める還暦土俵入りを行う予定。当初は昨年5月に実施されるはずだったが、新型コロナウイルス禍で延期となっていた。当日は元横綱日馬富士が太刀持ち、部屋付きの安治川親方(元関脇安美錦)が露払いを務める方向だという。関係者は「横綱も(自らの優勝で)親方の土俵入りに花を添えようという気持ちがあったはずだ」と照ノ富士の思いを代弁した。

今回のVで伊勢ヶ浜親方の優勝回数(4回)を上回った。しかし、照ノ富士は「師匠は4回、自分は5回という感覚はない。ただ、必死に頑張っているだけですから。いくら優勝しても、いくら強くなっても師匠を超えることはできない」ときっぱり。弟子の優勝は師匠への最高の恩返しとなった。

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