先発7回10Kも歴史的10勝おあずけ エンゼルス・大谷翔平「まだ投げたかった」

6回、トロを中飛に抑えて雄叫びを上げる大谷(ロイター=USA TODAY Sports)

エンゼルスの大谷翔平投手(27)は26日(日本時間27日)に本拠地アナハイムでのマリナーズ戦に今季20度目のリアル二刀流の「2番・投手」で先発し、7回を投げ、1本塁打を含む5安打1失点、10三振1死球と好投したが援護なく10勝目を逃した。1918年のベーブ・ルース以来の「2桁勝利&2桁本塁打」の偉業はお預けとなった。打者では3打数1安打で45本塁打のまま。チームは1―5で敗れ、本拠地最終戦を白星で飾ることはできなかった。

7回二死一塁で9番フレッチャーが一邪飛に倒れるとベンチで打席に備えていた大谷はバットを2度叩き付けた。打席が回ってこなかった無念さと直前に同点弾を許した自身へのふがいなさで珍しく感情をあらわにしたのだろう。

執念の投球はまたしても実らなかった。6回を終えて98球。リードはわずか1点だったが、大谷が7回のマウンドに上がるとエンゼル・スタジアムはどよめいた。先頭フレーリーを外角スプリットで見逃し三振。毎回の9個目だ。

しかし、続くケレニックにカウント1―1からの3球目、ほぼ真ん中のスライダーを右翼席に運ばれた。105球目が同点弾となり、10勝目が手からこぼれ落ちた。それでも、気落ちすることなく、8番マーフィーは二ゴロ。9番バウアーズはカウント1―2からの4球目、この日最速の99・2マイル(約159・6キロ)の真ん中高め直球で空振り三振に仕留めて、2試合連続の2桁三振をマーク。メジャーでは自身初だ。ファンはスタンディングオベーションを送った。

初回、先頭クロフォードに10球目を右前打される嫌な立ち上がりだったが、続くフランスを右飛に仕留めると3番シーガー、4番ハニガーを連続空振り三振と無失点で終えた。

5回は先頭トロの当たり損ねのゴロが不運な内野安打。一死後、ケルニックの中前打で一死一、二塁とピンチを招くも後続を抑えた。6回も一死後に死球と安打で再び得点圏に走者を背負うも4番ハニガーを空振り三振、5番トロを中飛で得点を許さなかった。

打者では相手先発の左腕ゴンザレスと3度対戦。1回無死一塁は一ゴロ、3回二死無走者はいい角度で打ち上げた中飛、6回先頭は中前打だった。これで5試合連続ノーアーチで45号のままだが、本塁打王争いでトップを並走しているブルージェイズのゲレロ、ロイヤルズのペレスともに不発で、1本差は変わらなかった。

それにしても前回登板の19日(同20日)のアスレチックス戦は8回2失点、この日も7回1失点と好投しながら勝ち星は付かなかった。原因は貧打。19日は登板中は援護がなく、この日は2回のスズキのソロ弾による1点だけ。2試合連続で見殺しにされた格好だ。

マドン監督は明言していないが中6日ならば今季最終戦の10月3日(同4日)の敵地マリナーズ戦での登板は可能だ。大谷の状態次第だが、本塁打王争いとの兼ね合いもあり、指揮官はどう判断するのか。最後まで目が離せない。

大谷のコメント「最後の本塁打を除けば全体的に粘り強く投げられた。7回も無失点に抑えれば8回も行ける内容だった。最後は自分の責任かなと思う。いい形でホーム(最終戦)を終えたかった」

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