関東大震災直後の焦土の横浜、現在の街と重ねる 30日まで市役所で写真展示

関東大震災の空撮写真と展示に協力したジオ神奈川のメンバー=横浜市役所

 横浜が焦土と化した1923年9月の関東大震災の状況を伝える写真が30日まで、横浜市役所(中区)1階に展示されている。当時の陸軍による空撮写真を現在の地図に重ね合わせ、位置が分かるようにしている。震災の調査を続ける市民グループ「ジオ神奈川」(蟹江康光代表)や防災科学技術研究所(茨城県つくば市)が協力した。

 展示の中心である空撮写真は、震災2日後の9月3日や同5日に撮影された。このうち、市心部や港周辺の被害を捉えた写真を組み合わせ、現在の市役所や横浜スタジアムなどを示した地図に重ねている。3日撮影の写真には白煙が写っており、焼失エリアの状況がよく分かる。

 このほか、避難した4万人以上と推定される人々が猛火に囲まれながらも一命を取り留めた横浜公園、当時の市役所や横浜駅の被災状況などを収めた写真や絵はがきをパネルにした。蟹江代表らが調査を続けている逗子・小坪での津波の来襲状況や体験した女性の証言などもパネルで紹介している。

 関東大震災では、東京、神奈川を中心に計10万5385人が死亡、行方不明となり、犠牲者の約9割は火災が原因だった。横浜市の犠牲者は2万6623人と報告されている。

© 株式会社神奈川新聞社