巨人・戸郷 7回121球1失点も…初2ケタ勝利はお預け「残り試合全部勝つくらいで」

力投を見せた巨人・戸郷

力投も実らず…。巨人・戸郷翔征投手(21)が28日の中日戦(バンテリン)に自身初の2桁勝利をかけて先発。7回121球の1失点と奮投したが、味方の援護に恵まれず、勝ち負けはつかなかった。

リズムを崩しながらも試合を作った。両チーム無得点で迎えた4回、福留と高橋周に連続四球を与えて無死一、二塁のピンチを招くと、加藤翔に右前打を許して満塁に。最後は相手先発・柳に犠飛を放たれて1点を失ってしまう。

それでも後続は断ち切り、この日失った点はこの1点のみ。だが、粘り強い投球を続ける若き右腕に応えたい打線は、8回に同点とするのがやっと。記念すべき勝ち星をプレゼントすることはできなかった。

試合後、戸郷は「制球も真っすぐもフォークも悪い中、きつい中での抑え方を知れた。そこは一つ今日の収穫」と一定の手応えを明かしながらも「やっぱりチームのテンポを作ってあげられなかったというのは、次に向けての課題かなと思います」と反省の弁も述べた。

とはいえ、中5日ローテで力投を続ける戸郷へ、首脳陣の評価は当然高い。宮本投手チーフコーチは「(次回登板は)中4日ですが、本人は『まだまだいけます』ということであそこまでいって、彼の気持ちがあそこを抑えたと思います」とスタミナと心意気を称賛。原監督も「コントロールにバラつきがあったように思うけどね。ただ、勢いがあるから、1点で抑えられたというところはあるでしょうね。まあ、先発ピッチャーとしては非常にいい役割をしてくれたと思いますね」とたたえた。

シーズンも佳境。負けられない戦いが続くが、戸郷は「残り全部勝つくらいでやりたいなと思います」とやる気十分。自己初となる2桁勝利到達へ意地を見せたいところだ。

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