5年ぶりBクラスが近づく西武 〝ノーマル球団化〟嘆くOB「常勝軍団には戻れない」

借金は辻政権ワーストの「12」に膨らんだ(東スポWeb)

球団OBからは〝嘆き節〟が漏れている。西武が28日のソフトバンク戦(ペイペイ)に2―5で敗戦。借金は辻政権ワーストの「12」となり、残り21試合でCS出場圏内、3位・楽天と7ゲーム差の厳しい状況は変わりない。すでに自力CS進出の可能性は再消滅しており、5年ぶりとなる「Bクラス」が近づいている。

過去、43年の西武の歴史で最下位は前身のクラウンを買い取り、本拠地を所沢へ移した初年度の1979年一度きり。その後、82年の初優勝から黄金期を迎えたライオンズは2006年まで25年連続Aクラス。うち15回のリーグ優勝という常勝時代を築いた。

しかし、松坂が米大リーグへ移籍した07年、伊東政権が26年ぶりのBクラス(5位)に沈んで以降は、5度のBクラスを経験する迷走期へと突入。今季5年目の辻政権で初のBクラスが確定すれば、5年ぶりの屈辱を味わうことになる。

こうしたチーム状況に、常勝時代のライオンズOBは「当時は優勝以外は許されない状況だった。フロントも優勝できなければ誰かが詰め腹を切らされる緊張感で常にピリピリしていた」と今との空気感の違いを解説。その上で「もちろん会社はそれだけの資金投入も補強もしていた。オーナー体制や資金力が違うとはいえ、勝つためには現場、フロントにそういう緊張感がなければ難しい。目標Aクラス入りなどという甘いノルマ設定では常勝球団には戻れない」と近年の西武の〝ノーマル球団化〟を憂いている。

もし西武が常勝軍団に返り咲こうとしているなら…。親会社、フロント、現場が一体となった改革が必要なのかもしれない。

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