【柔道】男子監督就任の鈴木桂治氏 「アテネ金」の看板と並んで期待される引退後の “実績”

東京五輪では井上康生前監督の「右腕」として、男子代表をサポートしていた鈴木桂治氏新監督(東スポWeb)

新監督の評価は――。全日本柔道連盟は28日に男子日本代表の新監督に2004年アテネ五輪100キロ超級金メダルの鈴木桂治氏(41)が就任すると発表。「勝つことに関しては貪欲に進めていく」と決意を述べた。

12年から男子日本代表の重量級コーチを担当。東京五輪で史上最多となる5個の金メダルに導き、9月末で2期9年の任期を終える井上康生監督の右腕として活躍した。パリ五輪まで残された期間は3年。「大きな改革をする考えはなく、井上監督体制の9年間で築いたことを継続することを一番に考えていきたい」と控えめに目標を語った一方で、金野潤強化委員長は「コーチングの手腕を一番に評価して選定した。鈴木先生自身のさまざまな特色があると思うので、そういったものを発揮してほしい」とハッパをかけた。

現役時代の実績に目が行きがちだが、国士舘大学と早稲田大の大学院を卒業するなど、勉強家としての一面も兼ね備えている。全柔連内での評価も高く、強化関係者は「科学的かつ客観的に物事を捉えるために、大学院へ行った」と明かした上で「マネジメントの部分では井上前監督と近いところを研究している。個性の差も出てくると思うが、井上前監督のやり方も見ているし、鈴木新監督は人のマネジメント力がたけているので、いろいろと考えていると思う」と期待を寄せた。

柔道界にとっては五輪は金メダルが至上命令。「選手が夢を実現するために何をするべきかを徹底的に探って、それを実行に移して結果を求めていきたい」。3年後のパリ五輪へ向け、新体制でさらなる高みを目指す。

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