RSCは10月末から怒涛の4週連続開催で再開。ドライバーにワクチン接種義務を課す決定も

 シリーズ伝統の1戦、マウントパノラマでの『バサースト1000』を合計10のカテゴリーを内包する大規模な6日間イベントの一環とし、11月30日から12月5日までの期間に開催する“フェスティバル化”を決めたばかりのRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップだが、シーズンフィナーレに向け残す4戦の日程再調整が協議された結果、10月2~3日に計画されていたウィントン戦のキャンセルが決定した。

 この代替案として、当初は11月19~21日の週末に予定されていた“シドニー・スーパーナイト”を「4週連続開催」化することでラウンド数を穴埋めし、10月29~31日より怒涛の“バック・トゥ・バック”戦によるシリーズ再開をアナウンス。また、当該ラウンドよりシリーズに参戦するドライバー全員を対象に、新型コロナウイルス(COVID-19)対策としてワクチン接種義務を課すことも決まっている。

 恒例の10月第2週ではなく11月最初の週末へとスロットを移していた『バサースト1000』は、さらなる改訂の末に下部組織のダンロップ・スーパー2を筆頭に、TCRオーストラリア、ポルシェ・カレラカップ・オーストラリア、TOYOTA GAZOO Racing 86シリーズ、ツーリングカーマスターズ、豪州最速フォーミュラのS5000、GTワールド・チャレンジ・オーストラリア、V8スーパーユート、そしてトランザムも内包する6日間のフェスティバル化が決定していた。

 これにより11月19~21日のシドニー・スーパーナイトを除く3戦に関しては、追って開催地と日程が発表される予定となっていたが、RSCを運営する組織委員会は7月以来のシーズン再開方法として、驚愕のスケジュールを組むことを決断した。

 前述のとおり約3カ月ぶり、シドニー・モータースポーツパークで10月29~31日に再開するシリーズは、現地に留まる方向で11月6~7日、11月13~14日、そして11月19~21日と4週連続でレースを開催。そのまま11月30日にはマウントパノラマに移動して6日間のシーズンフィナーレに突入する。

 この間、シドニー戦ではサーキットのさまざまなレイアウトが使用され、当初の予定にもあったとおり、投光照明によるナイター設備の下でナイトレースも実施されるという。

シリーズ伝統の1戦、マウントパノラマでの『バサースト1000』は、11月30日から12月5日までの期間にTCRなどを併催する”フェスティバル”化も決定している
かつてイースタン・クリークの名称で親しまれたシドニー・モータースポーツパークは“スーパーナイト”戦も開催してきた

■ワクチン接種を拒否するドライバーの問題は「認識していない」

「2021年スーパーカー・チャンピオンシップのシーズンを締めくくる、5戦の壮大なイベント開催案が確定した。ニューサウスウェールズ州(NSW)のモータースポーツ団体や関係者、そしてファンにとって驚くほどエキサイティングな5週間になるだろうね」と語るのは、シドニー西部を中心にNSWの雇用・投資・観光の大臣を務めるスチュアート・エアーズ。

「シドニー・モータースポーツパークはもちろんワールド・クラスの会場であり、NSW州政府の常設照明への積極的な投資により、ファンがイースタン・クリークで2週間もスリル満点のナイトレースを楽しむユニークな機会を生み出した」

「NSW州はモータースポーツコミュニティに祝祭の場を提供し、ファンに素晴らしいエンタテインメントをお届けしたい。将来の訪問者、ツーリスト候補たちへ放送を通じてリーチし、州の経済をサポートする国際的なイベントを主催することを誇りに思っている」

 その一方で、10月末から再開されるこのシリーズ戦に向け、RSCのシリーズ運営側は参戦するドライバー全員を対象にワクチン接種の義務化を決断した。

「それが現在、健康に関する政府側からのアドバイスが示していることだ」と説明したのは、シリーズCEOを務めるショーン・シーマー。

「そのシリーズ委員会による決定は、すでにチーム側にも伝えられている。まだ2回目の接種を待っている状況のドライバーたちも数多くいるようだが、来月末、この数週間には状況が大きく進展するだろう」と続けるシーマー。

 この健康プロトコルの提示はNSW州政府によるもので、シリーズ側としては現時点でワクチン接種を拒否するドライバーの問題は「認識していない」としている。

「確実に、過去2カ月間のチームとスタッフとの連絡やコンタクトのなかで、今季後半に向けてワクチン接種が必要になる可能性があることを彼らに予見してきた」

「もしドライバーがワクチン接種を拒否した場合、週末のレースに出場することは不可能になるが、最終的にはそれは彼らの個人的な決定だ。NSW州に入ることができない場合、誰がマシンをドライブするかについて、彼らとチームオーナーの間で話し合うことになるだろう」

 また、依然として不透明な情勢ながら、2022年の開幕戦には2年ぶりのカレンダー復帰が決まっているニューキャッスルが指名されることも決まり、3月4~6日に従来はシリーズ最終戦として恒例となっていた市街地の500マイル戦で幕を開ける。

ドライバー、チームのみならず、ファンにとっても怒涛の4週間+1週間のお祭り期間となる
2022年の開幕戦には2年ぶりのカレンダー復帰が決まっているニューキャッスル500が指名された

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