北朝鮮ミサイルは「極超音速」だった! マッハ27に達し、迎撃困難「なぜそんな技術が…」

28日に発射した北朝鮮ミサイル(ロイター)

今月5発目と日本などを不安に陥れた28日発射の北朝鮮ミサイルは、ロシアなどが力を入れている「極超音速」の「火星(ファソン)8」だったことが分かった。北朝鮮側の発表を韓国などのメディアが29日に報じた。

韓国の中央日報(日本語電子版)は、北朝鮮の朝鮮中央通信が「国防科学院は28日午前、慈江道龍林郡都陽里で、新しく開発した極超音速ミサイル火星8型の試験発射を遂行した」と報道したことを伝えた。これは日韓が同日に発射を確認した北朝鮮のミサイルに該当するとみられる。このミサイルの研究開発事業は「第8回(労働党)大会が提示した国防科学発展および武器体系開発5か年計画の戦略武器部門最優先5大課題」であるという。

極超音速(ハイパーソニック)ミサイルは音速の数倍で飛翔し、迎撃が困難だとされる。この兵器が一躍有名になったのは2018年。ロシアのプーチン大統領が「アバンガルド」の発射実験成功をアピールしたことで世界に緊張が走った。アバンガルドの速度はマッハ27に達したとも報じられた。プーチン氏がアバンガルドの試験映像に見入る姿も当時公開されており、熱を入れている様子がうかがわせた。

既存のミサイル防衛システムを無力にしかねない極超音速ミサイルの開発には軍事大国である米中も参戦。中国は「東風17」の配備が取りざたされ、米国も現地時間27日に飛行成功が国防高等研究計画局(DARPA)がウェブサイトで発表した。

開発に高度な技術と多大な資金を要するとみられる先端兵器である極超音速ミサイル。北朝鮮が独自で戦力化を進めているのか、他国の協力があるのかは気になるところだ。そして洋上配備が検討される「イージス・アショア」など、日本のミサイル防衛でも議論を呼びそうだ。

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