自民党総裁選が29日投開票され、岸田文雄氏(64)が新総裁に選出された。党役員人事に着手し、10月4日の臨時国会で第100代首相に就任し、新内閣を発足させる。注目は、総裁選で争った高市早苗氏(60)の処遇で、重要閣僚での入閣が確実視されている。
高市氏は総裁選の1回目の投票で、3位に敗れ、決選投票への進出はならなかった。高市氏陣営は前夜、岸田氏陣営と話し合い、どちらかが河野太郎行革相(58)と決選投票でぶつかった場合は共闘することで協定を結んでいた。結果、決選投票では岸田氏が高市票を積み増し、議員票では河野氏に118票差もつけた。
「岸田氏をアシストした高市氏には入閣が取りざたされています。既に党では政調会長、閣僚では総務大臣を長く務めていたとあって、外務大臣か防衛大臣が現実的ですが、官房長官にと推す声もある。高市氏も外相や防衛相なら引き受けるのではないか」(永田町関係者)
新総裁選出後、岸田氏の結果報告会には高市氏が駆け付け、岸田氏陣営に謝辞を述べた。
そのうえで「ずっと4人でツアーのようにテレビ局を回ったりして、だんだん愛情がお互いにわいてきた。岸田候補の政策が勉強になって、お互いの良い政策を取り入れてやっていこうねとなった。離れがたいチームになっていくと思います」と挨拶し、2人でポーズを取った。岸田氏の強力なパートナーになりそうだ。