古代の生命、歴史学ぶ 「長崎市恐竜博物館」が公開 10月29日開館 全長13メートルの骨格標本も

開館を1カ月後に控える長崎市恐竜博物館が29日、報道陣に公開された。県内で見つかった化石など約180点を展示。=同市野母町

 長崎市は29日、同市野母町に10月29日開館する市恐竜博物館を報道陣に公開した。長崎ゆかりの化石など約180点の展示作業がおおむね完了。古代の大地や生命の成り立ちから、恐竜の繁栄と絶滅、鳥類や哺乳類に引き継がれた現代までの歴史を追って学べる。
 鉄筋コンクリート造り一部2階建て。全身骨格標本が並ぶ「常設展示室」や期間限定イベントを開く「企画展示室」のほか、長崎で見つかった化石などの調査研究の様子を公開する「オープンラボ」などがある。
 展示の目玉となる肉食恐竜ティラノサウルスの全身骨格標本(全長13メートル)は、オランダの博物館にある世界最大級の化石を再現したレプリカ。頭の位置を低くし、子どもでも目が合うポーズにした。国内初として長崎半島で歯の化石が見つかったティラノサウルス科の大型種は、鳴いたり動いたりする様子を再現したロボットを設置している。
 常設展示室からは窓越しに、炭鉱の島だった高島や端島(軍艦島)を望める。市の中谷大輔学芸員(37)は「石炭は化石の一種。採炭で栄えた島も展示の一つとして見て、地域の歴史や自然に目を向けてほしい」と願う。
 新型コロナウイルス対策のため当面は事前予約制とし、入場人数を制限。予約は10月1日午前10時から、同館ホームページで受け付ける。

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