新日本プロレス1日浜松大会「G1クライマックス」Bブロック公式戦で、IWGP・USヘビー級王者の棚橋弘至(44)がSANADA(33)を下して3勝目を挙げた。
昨年度準優勝の実力者との公式戦は、合わせ鏡のような技の応酬となった。棚橋が低空ドロップキックを見舞えば、SANADAも低空ドロップキックで反撃。ドラゴンスクリューもドラゴンスクリューで返され、意地の張り合いが続く。
スリングブレイドからのハイフライフローを剣山で迎撃された棚橋だったが、SANADAのラウンディングボディプレスに膝を立てて応戦。エルボー合戦からのオコーナーブリッジをカウント2で返すと、自身はオコーナーブリッジのモーションからドラゴンスープレックスをさく裂させて一気に攻勢に出る。最後はついにハイフライフローをさく裂させて激闘に終止符を打った。
試合後のリング上でマイクを握り会場の時計を指さすと「見てください。21時を回りましたけど。もちろん、心配はあります。でも、少しずつプロレスが、皆さんの日常が、少しずつ戻って来てますよね。僕から言いたいのは、楽しむところはしっかり楽しむ。普段の生活は気をつけて健康に暮らしていきましょう」とファンに呼びかけた。
全国で発令されていた新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が全面解除されてから、初めての興行。プロレス界はいまもコロナ禍の影響を大きく受けている最中だが、新日本の太陽が〝夜明け〟への手応えを確かに感じ取っている。
退場の際にはリングを一周し、来場者に感謝の言葉を投げかけた。「プロレスの会場で見てもらったり、(動画配信サイトの新日本プロレス)ワールドで見てもらったり、そういう強くあろうとする思いがね。俺はきっと、プロレスにあると信じてるし。それを見せないと、証明しないと。言った本人が、応援してくれるみんなを、会場に来てくださる皆さんを。そうしたらいろんなことが信じられるし、毎日進むパワーになるんじゃないかな」と誓いを新たにしたエース。「去年のG1でSANADAに負けてるから、ここは絶対って思いはあったよね。ちょっくら優勝してきます」と、3年ぶり4度目の優勝を誓っていた。