宮古島市上野野原の陸上自衛隊宮古島駐屯地の用地取得を巡る贈収賄事件で、国への土地 沖縄県宮古島市上野野原の陸上自衛隊宮古島駐屯地の用地取得を巡る贈収賄事件で、国への土地売却の便宜を図った見返りに現金600万円を受け取ったとして、収賄罪に問われた前宮古島市長の下地敏彦被告(75)の初公判が1日、那覇地裁(小野裕信裁判長)で開かれた。下地被告は、現金を受け取ったことは認めたものの「政治資金として渡されたもので、賄賂としてではない」などと述べ、無罪を主張した。
受け取った600万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことも明かし「不徳の致すところで、大変申し訳なく思っている」と述べた。
下地被告に現金を渡したとして、贈賄罪に問われた宮古島市のゴルフ場元社長(65)は罪を認めており、那覇地裁は9月22日、執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
検察側は冒頭陳述で、下地被告が自衛隊施設の受け入れの判断をする職務上の権限を持っていたと指摘した。
会社の経営に行き詰まっていた元社長は、下地被告に受け入れの表明をしてほしいとの陳情を繰り返していたとした。
弁護側は、自衛隊基地配備の受け入れ表明は、市長の職務権限に含まれないと反論した。
元社長が現金を渡したのは、下地被告との関係修復のためのもので、受け入れ表明の対価ではないとし「被告が自己の職務に関して賄賂を収受したことはなく、無罪は明らかだ」と述べた。
起訴状によると、下地被告による陸自配備計画の受け入れ表明がされたことで、千代田CCの土地を陸自駐屯地用地として国に売却できた謝礼と知りながら、2018年5月24日、東京都内で現金600万円を受け取ったとしている。