斎藤佑樹が鎌ケ谷へ涙の惜別登板 最後は132キロ直球で空振り三振奪う

最後の二軍戦に登板した斎藤佑樹(代表撮影)

背番号「1」が鎌ケ谷のファンに別れを告げた。日本ハムの斎藤佑樹投手(33)が3日のイースタン・リーグDeNA戦(鎌ケ谷スタジアム)で二軍戦最後の登板を行い、打者1人に対して空振り三振を奪った。

観衆の注目を集めながら6回からマウンドに上がった斎藤。スタンドからはオレンジ色の名入りタオルを掲げるファンも多く見られ、大きな拍手で迎え入れられた。

注目の1球目。斎藤は2番・乙坂に対して130キロの直球を投じると、高めに外れてボール。続けて投じた同じく130キロの直球も低めにワンバウンドし、カウントは2―0。その後はより力が入ったのか、133キロの直球で連続スイングを奪うと、打席に向けて片手を差し出し、間を開けた。

様々な思いがこみ上げたのだろう。右腕の目には涙が浮かんでおり、しっかりと目元を拭いきると、最後は132キロの直球を力いっぱい投じ、乙坂から3度目のスイングを奪った。空振り三振としてこの1打席限りで降板となると、母校・早実の後輩で一塁の清宮らが駆け寄りハグ。涙を流しながらナインとも握手を交わし、一塁側ベンチへ一礼、スタンドへも帽子を取って声援に応え、「ハンカチ王子」は静かに三塁側ベンチへと下がっていった。

この日は本拠地最終戦ということも相まって、チケットは完売。特別に右翼の芝生外野席も解放されるほどの人気ぶりだった。

球場入り口には「鎌スタの皆さんありがとうございました」とのメッセージが添えられた斎藤の横断幕が飾られており、多くのファンが記念撮影も行っていた。アマ時代から応援を続けていた〝佑ちゃんマダム〟ももちろん集結。「明るい気持ちで応援します!」と試合前には語っており、まさに笑顔と涙にあふれた惜別登板となった。

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