沖縄の伝統芸能継承、東京でも 伊良皆さん主宰教室が三線発表会

 【東京】県指定無形文化財八重山古典民謡技能保持者の伊良皆高吉さんが主宰する「沖縄音楽三線教室」の第16回発表会と孫明流太鼓の会東京支部(大城朝夫支部長)創立15周年記念公演が2日、板橋区立成増アクトホールで開かれた。

 八重山古典音楽をはじめトゥバラーマなどが披露され、フィナーレは伊良皆さん作詞・作曲の「首里の城」をピアノと三線、筝、笛の伴奏で斉唱した。伊良皆さんは「伝統芸能継承には、先輩たちの後を後輩が追い掛けてくることが必要だ。コロナ禍だが、公演開催が意義ある冒険だと考えチャレンジした」と話した。

 伊良皆さんは、2005年に東京都神田に「沖縄音楽三線教室」を開設。門下生は千人を超える。門弟の大城さんが太鼓にも興味があったため、伊良皆さんが八重山の孫明流太鼓の会を紹介。板橋区在住の大城さんは八重山に熱心に通って習得し、12年に東京支部を開設した。

 発表会は新型コロナ感染拡大で再三にわたり延期。1日に東京都の「緊急事態宣言」が解除されたが、感染予防のために出演者約40人、観客も約50人に抑えて開催された。

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